Sansui AU−D907 Limited.  10台目修理記録
使用上の注意                              平成17年5月30日到着   7月2日完了
  • A. 修理前の状況
       実はLIMITEDアンプは、私にとっては2台目のものです。
       2台ともオークションで入手いたしましたが、ほぼ似た症状でダウンです。
       1台目は、1年ほど前に九州地区には福岡のサンスイサービスセンターに修理依頼で送りましたが修理不能で現地処分 。
       そこで、2台目は長く使用したいと考え、なんとか復活方法を考えている所です。

      (症状)
       @電源ONで5分ほどウォームしてから、CDの1曲目でテスト試聴中に、突如アンプの正面向かって右から白煙と
        半田こげの臭いが起こり、スピーカーのボンという音で音がストップ。
        電源自体はそれでも止まっていないようで、慌てて切った電源をONにしてみると、スタンバイの点滅状態のまま動作状態にいかず、
        しかし、また基板の特定の場所から発熱し、煙が出てくる為、それ以上の通電を断念いたしました。
       A2台とも、ほぼ似た症状でダウンしたので、偶然なのか、接続不適なのか素人にはわかりません。


  • B. 原因
       各部劣化による終段TR(トランジスター)焼損
       初段FET(電界効果トランジスター)劣化

  • C. 修理状況
       R側終段TR(トランジスター)交換
       SP接続リレー交換
       各初段FET(電界効果トランジスター)交換
       電解コンデンサー交換(ミューズ使用)
       配線手直し、補強
       各部、半田補正
       SP端子交換

  • D. 使用部品
       R側終段TR(トランジスター)                    4個(中古品)
       SP接続リレー                             2個
       半固定VR                              14個
       FET(電界効果トランジスター)                                   4個
       電解コンデンサー                          90個(ミュ−ズ使用)
       抵抗                                   7個
       TR(トランジスター)                         6個
       フイルムコンデンサー                        7個
       SP端子                                2組

  • E. 測定・調整


  • F. 修理費       130,000円   オーバーホール修理。

  • S. Sansui AU−D907 Limited の仕様(カタログ・マニアルより)
A. 修理前の状況 写真の黄色いテープは識別(10台目)の為
A−1. 点検中 上から見る
A−2. 点検中 下から見る 修理履歴あり
A−3. 点検中 下蓋に残るRCA端子に使用した接点復活材の残り
A−4. 点検中 短絡で解け出したR側終段TR(トランジスター)、R側終段TR(トランジスター)全滅
A−5. 点検中 R側ドライブ基板、TR(トランジスター)、抵抗、ダイオードが焼き切れている 
A−6. 点検中 解けた半田が、コンデンサーの上や基板に付いている
A−7. 点検中 RL発振防止抵抗+コンデンサー  R側の抵抗が焼切れている
          電解コンデンサーが劣化し、高域の発振が起きた証拠
この抵抗(10オーム)↑↑ と この↑↑コンデンサー(473)がSP出力ラインに直列に入れてある
コンデンサーは正常なので、強い高域の発振により焼けたと推測される、その原因は電解コンデンサーの劣化。
C. 修理状況
C−1A. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C−1B. 修理後 メイン・ドライブAMP基板
                    初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサ−20個、抵抗6個、TR(トランジスター)6個交換
C−1C. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C−1D. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏 全ての半田をやり直す
C−1E. 完成メイン・ドライブAMP基板裏 洗浄後
C−1F. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 アースラインの接続,、普通は基板の裏からだが、銅箔保護の為表から差し込む
C−1G. 修理後 メイン・ドライブAMP基板裏 アースラインの接続
C−1H. 修理後 終段TR(トランジスター) 片側4個交換
C−2. 前面パネルを取り外して、修理中
C−2A. パネル裏のシャーシに、使用した接点復活材の残り跡
C−2B. 修理前 FLAT−AMP基板
C−2C. 修理後 FLAT−AMP基板 FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR2個、電解コンデンサー12個交換、フイルムコンデンサー2個追加
C−2D. 修理前 FLAT−AMP基板裏 
C−2E. 修理(半田補正)後 FLAT−AMP基板裏  全ての半田をやり直す
C−2F. 完成FLAT−AMP基板裏 洗浄後
C−2G. 修理前 CONTROL基板裏
C−2H. 修理(半田補正)後 CONTROL基板裏  全ての半田をやり直す
C−2I. 完成CONTROL基板裏 洗浄後
C−2J. 修理前 TapeCopySW基板裏
C−2K. 修理(半田補正)後  TapeCopySW基板裏 全ての半田をやり直す
C−2L. 完成TapeCopySW基板裏 洗浄後
C−2M. 修理前 TapePlaySW基板裏 
C−2N. 修理(半田補正)後 TapePlaySW基板裏  全ての半田をやり直す
C−2O. 完成TapePlaySW基板裏 洗浄後
C−2P. 修理前 TONE−SW基板裏
C−2Q. 修理(半田補正)後 TONE−SW基板裏  全ての半田をやり直す
C−2R. 完成TONE−SW基板裏 洗浄後
C−2S. 修理前 TONE−VR基板裏
C−2T. 修理(半田補正)後 TONE−VR基板 裏  全ての半田をやり直す
C−2U. 完成TONE−VR基板裏 洗浄後
C−3A. 修理前 電源整流基板
C−3A−1. 修理前 電源整流基板 半田のノリが少ない
C−3B. 修理後 電源整流基板 電解コンデンサー12個交換
C−3B−1. 修理中 終段TR(トランジスター)電源電解コンデンサーの点検
C−3C. 修理前 電源整流基板裏
C−3C−1. 修理前 電源整流基板裏 半田不良ヶ所
C−3C−2. 修理前 電源整流基板裏 半田不良ヶ所、製造時の「ドブ付」けから、もう少しで折れる!
C−3D. 修理(半田補正)後 電源整流基板裏  全ての半田をやり直す
C−3E. 完成電源整流基板裏 洗浄後
C−3E−1. 修理前 シャーシへのアースポイント
C−3E−2. 修理後 シャーシへのアースポイント、止めネジは銅メッキに交換する
C−3E−3. 修理後 他も同様に銅メッキに交換する
C−3F. 修理前 電源整流基板2
C−3G. 修理後 電源整流基板2 電解コンデンサー8個交換
C−3H. 修理前 電源整流基板2裏
C−3I. 修理(半田補正)後 電源整流基板2裏  全ての半田をやり直す
C−3J. 完成電源整流基板2裏 洗浄後
C−4. 後面パネルを取り外して、修理中
C−4−1. 修理中 SP端子に残る接点復活材の残り
C−4A. 修理後 RCA端子基板 接点復活材の跡がある
C−4B. 修理前 RCA端子基板裏
C−4C. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  全ての半田をやり直す
C−4D. 完成RCA端子基板裏 洗浄後
C−5A. 修理前 プリメインRCA端子基板 接点復活材の跡がある
C−5B. 修理後 プリメインRCA端子基板 高価なBPに変更したので「2個→1個」、フイルムコンデンサー2個追加
C−5C. 修理前 プリメインRCA端子基板裏
C−5D. 修理(半田補正)後 プリメインRCA端子基板裏 太いケーブルを付けるのでRCA端子は十分に半田盛る
C−5E. 完成プリメインRCA端子基板裏 洗浄後
C−6A. 修理前 EQ基板
C−6E. 修理中 EQ基板の入力切り替えSWの洗浄 他の所へ付着しないよう、「ボロ」でくるんで行う
C−6B. 修理後 EQ基板 半固定VR2個、電解コンデンサー22個交換、フイルムコンデンサー2個追加
C−6C. 修理前 EQ基板裏
C−6D. 修理(半田補正)後 EQ基板裏  全ての半田をやり直す
C−6E. 完成EQ基板裏 洗浄後
C−7A. 修理前 MC基板
C−7B. 修理後 MC基板 電解コンデンサー8個、半固定VR6個交換
C−7C. 修理前 MC基板裏
C−7D. 修理(半田補正)後 MC基板裏  全ての半田をやり直す
C−7E. 完成MC基板裏 洗浄後
C−8A. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板
C−8A. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板、発振で焼けた抵抗とフイルムコンデンサー
C−8B. 修理後 SP接続リレー・プロテクト基板
                            SP接続リレー2個、電解コンデンサー6個、フイルムコンデンサー1個、抵抗1個交換
C−8C. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板裏
C−8C−1. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板裏、半田不良ヶ所
C−8D. 修理(半田補正)後 SP接続リレー・プロテクト基板裏  全ての半田をやり直す
C−8E. 完成SP接続リレー・プロテクト基板裏 洗浄後
C−9A. 修理前 SP接続切り替えSW
C−9B. 修理中 SP接続切り替えSW、やりにくいがこちら側も磨く
C−9C. 修理後 SP接続切り替えSW、清掃後
C−AA. 修理後 フューズ基板
C−AB. 修理前 フューズ基板裏
C−AC. 修理後 フューズ基板裏
C−AD. 完成フューズ基板裏 洗浄後
C−BA. 修理前 SP接続端子 今日の様に太い線を続ぐ事を想定していない
C−BB. 修理中 穴が大きいので、当て板の製作が必要
C−BA. 修理後 SP接続端子
C−B. パネル清掃
C−CA. 修理前 上から
C−CB. 修理後 上から
C−CC. 修理前 下から
C−CD. 修理後 下から
C−DA. 交換部品
E. 測定・調整
E−1. 出力/歪み率測定・調整
    <見方>
     下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E−2A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ AUX端子入力
E−2B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ AUX端子入力
E−2C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ AUX端子入力
E−2D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ AUX端子入力
E−3A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MM端子入力
E−3B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MM端子入力
E−3C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MM端子入力
E−3D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MM端子入力
E−4A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MC端子入力
E−4B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MC端子入力
E−4C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MC端子入力
E−4D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MC端子入力
E−4A. 完成
E−4B. 24時間エージング。
S. Sansui AU−D907 Limited の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 ワイドレンジDCプリメインアンプ AU−D907 Limited
パワーアンプ部
実効出力 100W+100W(8Ω、10Hz〜20kHz、THD 0.008%)
100W+100W(8Ω、1kHz、THD 0.003%)
全高調波歪率 0.008%以下(10Hz〜20kHz、実効出力時、8Ω)
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) 0.008%以下
出力帯域幅 3Hz〜70kHz(IHF、両ch動作、THD0.02%、8Ω)
ダンピングファクター 100(IHF、両ch動作、1kHz、8Ω)
周波数特性(1W) DC〜500kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) 1V/47kΩ
SN比 125dB以上(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット)
チャンネルセパレーション 95dB以上(IHF、1kHz)
ライズタイム 0.5μsec
スルーレイト(8Ω) ±200V/μsec
インサイドスルーレイト(8Ω) ±300V/μsec
TIM歪(SAWTOOTH法、8Ω) 0.001%以下(LPF、100KHz)
エンベロープ歪(8Ω) 0.001%以下
プリアンプ部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono-1 MM=2.5mV/47kΩ
Phono-1 MC=0.1mV/10Ω
Phono-2 MM=2.5mV/47kΩ
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=150mV/30kΩ
MC適合インピーダンス 100Ω以下
Phono最大許容入力(1kHz) Phono MM(THD 0.01%)=350mV
Phono MC(THD 0.03%)=30mV
出力電圧(1kHz) Tape Rec 1、2(PIN)=150mV(47kΩ時)
Pre Out=1V(47kΩ時)
Max Pre Out(THD 0.05%)=4V(47kΩ時)
出力インピーダンス(1kHz) Tape Rec 1、2=600Ω以下
全高調波歪率 Phono MC(1kHz、6V)=0.005%以下
Phono MM(20Hz〜20kHz、6V)=0.005%以下
AUX、Tuner、Tape Play 1、2(20Hz〜20kHz、1V)=0.005%以下
混変調歪率(60Hz=7kHz=4:1) AUX、Tuner、Tape Play 1、2(1V)=0.005%以下
周波数特性 RIAA偏差(Phono 1、2、20Hz〜20kHz)=±0.2dB
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=5Hz〜100kHz、+0 -1dB
SN比(IHF、Aネットワーク、
ショートサーキット)
Phono MC(入力換算)=-154dBV
Phono MM=90dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=100dB以上
チャンネルセパレーション
(IHF、1kHz)
Phono MC=70dB以上
Phono MM=75dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=80dB以上
入力間セパレーション
(入力ショート、1kHz)
Tuner⇔Phono MM=90dB以上
Tape Play 1、2⇔Phono MM=90dB以上
Tuner⇔Tape Play 1、2=90dB以上
Tape Play 1⇔Tape Play 2=100dB以上
トーンコントロール Bass=±6dB(50Hz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数)=300Hz、150Hz
Treble=±6dB(15kHz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数)=6kHz、3kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
ヘッドホン端子出力 120mW(8Ω)
総 合
負荷インピーダンス 4〜16Ω
定格消費電力(電気用品取締法) 260W
外形寸法 幅466x高さ182x奥行432mm
重量 20.0kg
価格 ¥175,000(1979年発売)
                       907lima33
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