Sansui AU−D907 Limited. 11台目修理記録
使用上の注意                                         平成19年8月13日持込   8月4日完了
本AMPは片側終段TR(トランジスター)が死んでいます。 下記3修理方法を提示し、ユーザーが1を選択
  1.全終段TR(トランジスター)4組8個を、上位損失のに置き換える。
  2.現在、手持ちが無いので、ジャンク機器を購入し交換する。
  3.サンスイより片側分2組4個購入。
A. 修理前の状況
  • 買ってから26年経ちます。 ここ15年鳴らしていません。
    つい2年前に電源を入れて、プロテクター回路が働いて、30分ほどしてから 使用可能になり、
    レコードを聴いていいなーと感動 数日後、プロテクター回路が、なかなか切れず、焦げ臭くなり、
    再度、電源をいれますが、 同じでした。現在に至る。

B. 原因
  • 各部劣化による終段TR(トランジスター)焼損
    初段FET(電界効果トランジスター)劣化
    EQ−AMPポップノイズでる
    MC−AMPポップノイズでる

C. 修理状況
  • RL側終段TR(トランジスター)交換(上位品)
    SP接続リレー交換
    各初段FET(電界効果トランジスター)交換
    電解コンデンサー交換(ミューズ使用)
    配線手直し、補強
    各部、半田補正

D. 使用部品
   R側終段TR(トランジスター)                    4個
   SP接続リレー                             2個
   半固定VR                              14個
   FET(電界効果トランジスター)                                   4個
   電解コンデンサー                          90個(ミュ−ズ使用)
   抵抗                                   7個
   TR(トランジスター)                         6個
   フイルムコンデンサー                        7個


E. 調整・測定

F. 修理費       120,000円    オーバーホール修理。
                            3台目からの、お馴染みさん価格。

S. Sansui AU−D907 Limited の仕様(カタログ・マニアルより)

 修理前の状況
A1. 点検中 上から見る
A2. 点検中 シールドを取り、清掃後上から見る
A3. 点検中 前面パネルのトメネジが無い! 前回の修理の時か?
A4. 点検中 下から見る 修理履歴あり
A5. 点検中 下蓋に残る埃!
A6. 点検中 SP接続端子の裏側、十分な空きがあるので、現在の端子に交換出来るが、空けてある穴が大きいので当て板の製作が必要。
A7. 点検中 L側終段TR(トランジスター)全滅
A8. 点検中 L側AMP出力のフイルターのコイルが放熱器(アース電位)に接触している、これが原因かも?
A9. 点検中 電源整流基板の電解コンデンサー
AA. 点検中 使用する電解コンデンサーの比較。 原則電源回りにKZを使用しますが、大きさ・電気性能が異なるので、
                    使用出来ない場所があります
                    左=nichiconKZ、中=nichiconFG(FinGold)、右=nichiconFX(在庫限り)
C. 修理状況
C1A. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C1B. 修理後 メイン・ドライブAMP基板
                    初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサ−20個、抵抗6個、TR(トランジスター)6個交換
C1C. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C1C1. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏 製作時・前回修理時か? 半田玉が張り付いている!
C1C2. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏 短絡で焼けた銅箔や半田。
C1D. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏 全ての半田をやり直す
C1E. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 不要なフラックスを取る、単純な作業で非常に時間がかかる。
C1E. 完成メイン・ドライブAMP基板裏 洗浄後
C1F. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 アースラインの接続,、普通は基板の裏からだが、銅箔保護の為表から差し込む
C1G. 修理後 メイン・ドライブAMP基板裏 アースラインの接続
C2A. 修理前 終段TR(トランジスター)
C2B. 修理後 終段TR(トランジスター) 全TR(トランジスター)交換
            増幅率は同じで、損失は2倍の200Wの物を使用。銘板(品名)は消してあります 
C3. 前面パネルを取り外して、修理中
C3A. パネル裏のシャーシに、使用した接点復活材の残り跡
C3B. 修理前 FLAT−AMP基板
C3C. 修理後 FLAT−AMP基板
              FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR2個、電解コンデンサー12個交換、フイルムコンデンサー2個追加
C3D. 修理前 FLAT−AMP基板裏 
C3D−1. 修理中 FLAT−AMP基板裏、コネクター足の銅箔を広げる。
C3D−2. 修理中 FLAT−AMP基板裏、コネクター足の銅箔を広げる。2
C3E. 修理(半田補正)後 FLAT−AMP基板裏  全ての半田をやり直す
C3E1. 修理中 FLAT−AMP基板裏  不要なフラックスを取る、単純な作業で非常に時間がかかる。
C3F. 完成FLAT−AMP基板裏 洗浄後
C4. 修理中 CONTROL基板
C4A. 修理前 CONTROL基板裏
C4B. 修理(半田補正)後 CONTROL基板裏  全ての半田をやり直す
C4B−1. 修理中 CONTROL基板裏 不要なフラックスを取る、単純な作業で非常に時間がかかる。
C4C. 完成CONTROL基板裏 洗浄後
C5. 修理中 TapeCopySW基板
C5A. 修理前 TapeCopySW基板裏
C5B. 修理(半田補正)後  TapeCopySW基板裏 全ての半田をやり直す
C5C. 完成TapeCopySW基板裏 洗浄後
C6. 修理中 TapePlaySW基板
C6A. 修理前 TapePlaySW基板裏 
C6A1. 修理中 TapePlaySW基板裏、コネクター足の銅箔を広げる。
C6A2. 修理中 TapePlaySW基板裏、コネクター足の銅箔を広げる。2
C6B. 修理(半田補正)後 TapePlaySW基板裏  全ての半田をやり直す
C6C. 完成TapePlaySW基板裏 洗浄後
C7. 修理中 TONE−SW基板
C7A. 修理前 TONE−SW基板裏
C7B. 修理(半田補正)後 TONE−SW基板裏  全ての半田をやり直す
C7C. 完成TONE−SW基板裏 洗浄後
C8. 修理中 TONE−VR基板
C8A. 修理前 TONE−VR基板裏
C8B. 修理(半田補正)後 TONE−VR基板 裏  全ての半田をやり直す
C8C. 完成TONE−VR基板裏 洗浄後
C9A. 修理前 電源整流基板
C3A1. 修理前 電源整流基板 半田のノリが少ない
C3A2. 修理前 電源整流基板 半田のノリが少ない。
C9B. 修理後 電源整流基板 電解コンデンサー12個交換
C3B1. 修理中 終段TR(トランジスター)電源電解コンデンサーの点検
C3B2. 修理中 終段TR(トランジスター)電源電解コンデンサーの点検
                                             大型の半田こてで、一気に行ったので、下に垂れた半田。
C9C. 修理前 電源整流基板裏
C9D. 修理(半田補正)後 電源整流基板裏  全ての半田をやり直す
C9E. 完成電源整流基板裏 洗浄後
C3E1. 修理前 シャーシへのアースポイント
C3E2. 修理後 シャーシへのアースポイント、止めネジは銅メッキに交換する
C3E3. 修理前 シャーシへのアースポイント2
C3E4. 修理後 シャーシへのアースポイント2、止めネジは銅メッキに交換する
C3E5. 修理中 シャーシへのアースポイント2、半田ののりが少ない!
CAA. 修理前 電源整流基板2
CAB. 修理後 電源整流基板2 電解コンデンサー8個、TR(トランジスター)6個交換
CAC. 修理前 電源整流基板2裏
CAD. 修理(半田補正)後 電源整流基板2裏  全ての半田をやり直す
C3C1. 修理前 電源整流基板裏 半田不良ヶ所
C3C2. 修理前 電源整流基板裏 半田不良ヶ所、製造時の「ドブ付」けで、半田が落ちてのりが少ない!
CAE. 完成電源整流基板2裏 洗浄後
CB. 後面パネルを取り外して、修理中
CBA. 修理後 RCA端子基板 接点復活材の跡がある
CBB. 修理前 RCA端子基板裏
CBB−1. 修理前 RCA端子基板裏、半田不良ヶ所
CBC. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  全ての半田をやり直す
CBD. 完成RCA端子基板裏 洗浄後
CCA. 修理前 プリメインRCA端子基板 接点復活材の跡がある
CCB. 修理後 プリメインRCA端子基板 高価なBPに変更したので「2個→1個」、フイルムコンデンサー2個追加
CCC. 修理前 プリメインRCA端子基板裏
CCD. 修理(半田補正)後 プリメインRCA端子基板裏 太いケーブルを付けるのでRCA端子は十分に半田盛る
CCE. 完成プリメインRCA端子基板裏 洗浄後
CDA. 修理前 EQ基板
CDA1. 修理中 EQ基板の入力切り替えSW点検、十分に接点復活材が使用してある。
CDB. 修理後 EQ基板
              FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR2個、電解コンデンサー22個交換、フイルムコンデンサー2個追加
CDC. 修理前 EQ基板裏
CDC1. 修理中 EQ基板裏 接続」端子足の銅箔を広げる
CDC2. 修理中 EQ基板裏 接続」端子足の銅箔を広げる2
CDC3. 修理前 EQ基板裏、半田のむしっくい
CDD. 修理(半田補正)後 EQ基板裏  全ての半田をやり直す
CDD−1. 修理中 EQ基板裏 不要なフラックスを取る、単純な作業で非常に時間がかかる。
CDE. 完成EQ基板裏 洗浄後
CEA. 修理前 MC基板
CEB. 修理後 MC基板 電解コンデンサー8個、半固定VR6個交換
CEC. 修理前 MC基板裏
CED. 修理(半田補正)後 MC基板裏  全ての半田をやり直す
CEE. 完成MC基板裏 洗浄後
CFA. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板
CFA1. 修理中 SP接続リレー・プロテクト基板
CFB. 修理後 SP接続リレー・プロテクト基板
                            SP接続リレー2個、電解コンデンサー6個、フイルムコンデンサー1個、抵抗1個交換
CFC. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基板裏
CFD. 修理(半田補正)後 SP接続リレー・プロテクト基板裏  全ての半田をやり直す
CFD−1. 修理中 SP接続リレー・プロテクト基板裏  定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる
CFE. 完成SP接続リレー・プロテクト基板裏 洗浄後
CGA. 修理前 SP接続切り替えSW
CGC. 修理後 SP接続切り替えSW、清掃後
CHA. 修理後 フューズ基板
CHB. 修理前 フューズ基板裏
CHB−1. 修理前 フューズ基板裏、半田のむしっくい
CHC. 修理後 フューズ基板裏
CHD. 完成フューズ基板裏 洗浄後
CI. パネル清掃
CJ. 交換部品
CKA. 修理前 上から
CKB. 修理後 上から
CKC. 修理前 下から
CKD. 修理後 下から
E. 測定・調整
E1. 出力/歪み率測定・調整
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SP出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=R出力電圧測定 下段中右下 デジタル電圧計=L出力電圧測定
E2A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ AUX端子入力
E2B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ AUX端子入力
E2C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ AUX端子入力
E2D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ AUX端子入力
E3A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MM端子入力
E3B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ MM端子入力
E3C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=1000HZ MM端子入力
E3D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MM端子入力
E4A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ MM−2端子入力
E4B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ MM−2端子入力
E4C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ MM−2端子入力
E4D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ MM−2端子入力
E5A. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ MC端子入力
E5B. R−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=400HZ MC端子入力
E5C. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.02% at=1000HZ MC端子入力
E5D. L−SP出力=30V=112W 歪み率0.03% at=400HZ MC端子入力
E6. 完成 24時間エージング。
S. Sansui AU−D907 Limited の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 ワイドレンジDCプリメインアンプ AU−D907 Limited
パワーアンプ部
実効出力 100W+100W(8Ω、10Hz〜20kHz、THD 0.008%)
100W+100W(8Ω、1kHz、THD 0.003%)
全高調波歪率 0.008%以下(10Hz〜20kHz、実効出力時、8Ω)
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) 0.008%以下
出力帯域幅 3Hz〜70kHz(IHF、両ch動作、THD0.02%、8Ω)
ダンピングファクター 100(IHF、両ch動作、1kHz、8Ω)
周波数特性(1W) DC〜500kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) 1V/47kΩ
SN比 125dB以上(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット)
チャンネルセパレーション 95dB以上(IHF、1kHz)
ライズタイム 0.5μsec
スルーレイト(8Ω) ±200V/μsec
インサイドスルーレイト(8Ω) ±300V/μsec
TIM歪(SAWTOOTH法、8Ω) 0.001%以下(LPF、100KHz)
エンベロープ歪(8Ω) 0.001%以下
プリアンプ部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono-1 MM=2.5mV/47kΩ
Phono-1 MC=0.1mV/10Ω
Phono-2 MM=2.5mV/47kΩ
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=150mV/30kΩ
MC適合インピーダンス 100Ω以下
Phono最大許容入力(1kHz) Phono MM(THD 0.01%)=350mV
Phono MC(THD 0.03%)=30mV
出力電圧(1kHz) Tape Rec 1、2(PIN)=150mV(47kΩ時)
Pre Out=1V(47kΩ時)
Max Pre Out(THD 0.05%)=4V(47kΩ時)
出力インピーダンス(1kHz) Tape Rec 1、2=600Ω以下
全高調波歪率 Phono MC(1kHz、6V)=0.005%以下
Phono MM(20Hz〜20kHz、6V)=0.005%以下
AUX、Tuner、Tape Play 1、2(20Hz〜20kHz、1V)=0.005%以下
混変調歪率(60Hz=7kHz=4:1) AUX、Tuner、Tape Play 1、2(1V)=0.005%以下
周波数特性 RIAA偏差(Phono 1、2、20Hz〜20kHz)=±0.2dB
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=5Hz〜100kHz、+0 -1dB
SN比(IHF、Aネットワーク、
ショートサーキット)
Phono MC(入力換算)=-154dBV
Phono MM=90dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=100dB以上
チャンネルセパレーション
(IHF、1kHz)
Phono MC=70dB以上
Phono MM=75dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2=80dB以上
入力間セパレーション
(入力ショート、1kHz)
Tuner⇔Phono MM=90dB以上
Tape Play 1、2⇔Phono MM=90dB以上
Tuner⇔Tape Play 1、2=90dB以上
Tape Play 1⇔Tape Play 2=100dB以上
トーンコントロール Bass=±6dB(50Hz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数)=300Hz、150Hz
Treble=±6dB(15kHz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数)=6kHz、3kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
ヘッドホン端子出力 120mW(8Ω)
総 合
負荷インピーダンス 4〜16Ω
定格消費電力(電気用品取締法) 260W
外形寸法 幅466x高さ182x奥行432mm
重量 20.0kg
価格 ¥175,000(1979年発売)
                       907limb3s
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