Aurex SY−Λ88U. 5台目修理記録
平成16年10月20日持込    12月2日完成
注意 このAMPには、出力回路にプロテクトが有りません。 よって、出力にはDC漏れの危険が有ります。
    メインAMPと「DC入力接続」するときは、十分に注意すること。「出来れば避けた方が良い」 
詳しくはこちら参照 詳しくはこちら参照2
A. 修理前の状況
  •  YAHOOオークションで購入、して3ヶ位で、電源投入後2〜3時間位で、スピー カーから「ブツブツ」と音がでて、 その後、音がでなくなります。 はじめは、右だけでしたが、左も症状がでてきました。 また、ボリュームの∞から70位までのところで、音が、右・左と出ないところがあります。 そして、とうとう、左右から音がでなくなり、ボリュームをさわったらバッチっと電 気がきました。

B. 原因
  • バッファーAMPのDC漏れ、EQ−AMP左右で増幅に差があり。

C. 修理状況
  • 出力接続リレー修理。
    初段FET(電解トランジスター)交換。
    RLバイアス・バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーデオコンデンサー使用)
    メインVR・バランスVR解体清掃。
    RCA端子交換。

D. 使用部品
  • 初段FET(電解トランジスター)               2個。
    バイアス・バランス半固定VR                8個。
    メタライズド・ポリエステル・フィルムコンデンサー    18個。
    電源電解コンデンサー                    16個。
    電解コンデンサー                       26個。
    RCA端子                           20個。

E. 調整・測定

F. 上位測定器による調整・測定


G. 修理費   118,000円    オーバーホール修理

S. TOSHIBA  Aurex SY−λ88U の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A1A. 点検中 上から見る。修理履歴あり。
A1B. 点検中 下から見る
A2. 点検中 基盤の銅箔の厚さに圧倒 しかし半田付けは大変
A3. 電解コンデンサー 左上=交換する1500μ      右上=交換する1000μ/100V
                左下=付いていた470μ      右下=付いていた820μ/63V Aurexの名前が!!
A4. 取り外したλコンデンサーの容量測定結果。 但し安い測定器なので絶対値は不信用
      年月は確実にコンデンサーを変化させます。 これでも、「λコンデンサー神話」は健在?
C. 修理状況
C1A. 修理前 AMP部
C1B. 修理後 AMP部 電解コンデンサー14個、λコンデンサー14個、FET(電界トランジスター)2個交換
C1B1. 修理後 AMP部出力リレー 洗浄して使用
             このAMPは設計が良く、出力をアース(短絡)する方法なので、性能に影響しない
C1C. 修理前 AMP部裏
C1C1. 修理前 AMP部裏 電解コンデンサーがセメダインで固定してある
C1D. 修理(ハンダ補正)後 AMP部裏 電解コンデンサー8個交換
C1E. 完成AMP部裏 洗浄後
C2A. 修理前 SW部
C2B. 修理後 SW部
C2B1. 修理後 SW部 十分な空きがあるのでRCA端子の交換が出来た
C2B1. 修理中 メインVR 接点洗浄材が使用していないので綺麗!
C2C. 修理前 SW部裏
C2C. 修理前 SW部裏のハンダ不良、隣のラインに付いている
C2D. 修理(ハンダ補正)後 SW部裏
C2E. 完成SW部裏 洗浄後
C3B. 修理前 RCA端子       RCA端子の説明はこちら
           止めネジがセンターに1個しか無い構造、これで太い4本のケーブルは支えられない!
C3B. 修理後 新しいテフロン絶縁RCA端子に全部交換、20個!      RCA端子の説明はこちら
C4A. 修理前 電源整流部
C4B. 修理後  電源整流部 電解コンデンサー4個、λコンデンサー4個交換
C4B1. 修理中  電源整流部 念の為、ラッピングもハンダを流し込む
C4B2. 修理中  電源整流部 念の為、ラッピングもハンダを流し込む
C4C. 修理前  電源部整流裏
C4D. 修理(ハンダ補正)後  電源部整流裏
C4E. 完成電源部整流裏 洗浄後
C5A. 修理前 定電圧部
C5B. 修理後 定電圧部 大型電解コンデンサー16個、電解コンデンサー8個、半固定VR4個交換
C5C. 修理前 定電圧部裏
C5D. 修理(ハンダ補正)後 定電圧部裏
C5E. 定電圧部裏完成 洗浄後
C6. パネル洗浄
C7A. パネル裏スポンジの交換中 ご覧の様に水分を吸い、ぼろぼろ、鉄板まで腐食
C7B. パネル裏スポンジの交換後
C8. 交換した部品
C9A. 修理前 下から見る
C9B. 修理後 下から見る
C9C. 修理前 上から見る
C9D. 修理後 上から見る
E. 調整・測定
E1. 出力/歪み率測定・調整 ケースがシールドしていないので実際はもう少し良いでしょう
    <見方>
     上左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーデオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. 出力=1.5V(VRは最大)  0.00?%歪み  AUX入力  1000HZ
E2B. 出力=1.5V(VRは最大)  0.00?%歪み  AUX入力  400HZ
E3A. 出力=1.5V(VRは最大)  0.00?%歪み  MM入力  1000HZ
E3B. 出力=1.5V(VRは最大)  0.00?%歪み  MM入力  400HZ
E4A. 出力=1.5V(VRは80%)  0.01%歪み  MC入力  1000HZ
E4B. 出力=1.5V(VRは80%)  0.01%歪み  MC入力  400HZ
F. 上位測定器による 調整・測定。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F2A. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力 VRはmax 平均で0.7V出力   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F2B. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3A. 入出力特性測定(MM入力)
        MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3A. 入出力特性測定(MC入力)
        MM入力 入力電圧=0.11mV一定入力 VRは100%   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E3.  完成  24時間エージング。 左は 山水 AU−666
S. TOSHIBA  Aurex SY−Λ88U の仕様(マニアル・カタログより)
型式 コントロールアンプ SY−λ88U
入力感度/インピーダンス Phono MM=2.0mV/100Ω、47kΩ
Phono MC=0.1mV/10Ω、100Ω
Tuner、Aux、Tape=150mV/47kΩ
全高調波歪率(1kHz) Phono MM=0.002%(7.5V出力時、Rec out)
Phono MC=0.002%(7.5V出力時、Rec out)
Aux=0.002%(3V出力時、Pre out)
混変調歪率 Aux=0.002%(1kHz、3V出力時、Pre out)
SN比(IHF-A、ショートサーキット) Phono MM=88dB
Phono MC=70dB
Aux=110dB
周波数特性 Phono=RIAA偏差 ±0.2dB(20Hz〜20kHz、Rec out)
Aux=10Hz〜100kHz +0 -1dB
最大許容入力(1kHz、THD 0.002%) Phono MM=450mV
Phono MC=23mV
定格出力/インピーダンス Rec out=150mV/180Ω(1kHz)
Pre out=1V/100Ω
最大出力 Pre out=30V
サブソニックフィルター MM、MC=16Hz、6dB/oct
使用半導体 トランジスタ=60個
ダイオード=15個
FET=11個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 30W
外形寸法 幅450×高さ93×奥行386mm
重量 9kg
価格 \265,000(1981年頃)
               sy88-25-1e
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