KENWOOD L−02a. 6台目修理
トレイ駆動装置のベルトを製作いたしました。 交換できる人に料布します。 1本1000円送料別。
注意
  • 接続する機器のDC漏れが無い事が確実以外は、「DC−SubSonic」の位置で使用の事。  「ここ参照
    「Straight−DC」の位置は使用しない。
  • 純正品の「Σ(シグマ)ケーブル」使用以外の、Σ(シグマ)ドライブ接続は、十分理解した上で行う事。
  • 長期間使用しない場合は、待機電力 節約の為、電源コードを抜いて下さい。
平成22年5月25日到着   8月4日完成
A. 修理前の状況
  • 正味、28年間仕舞い込む事も無く使いつづけましたので、真っ黒で中はボロボロだと思います。

B. 原因
  • 熱、経年変化の劣化。
    電解コンデンサーをオーディオコンデンサ−に交換(チューンUP)。

C. 修理状況
  • SP(speaker)出力端子交換。
    SP出力リレー交換。
    ドライブ基板のFET(電解トランジスター)交換。
    EQ−AMPのFET/TR交換。
    MCAMPのFET/TR交換。
    半固定VR交換。
    制御リレー交換。
    配線手直し、補強。
    基板ハンダ補正。
    操作トレイ駆動ベルト交換。
    RCA端子を1部WBT RCA端子に交換。
    パネル照明ランプ交換。


D. 使用部品

  • SP(speaker)出力端子             8個。
    SP出力リレー                  2個。
    ドライブ基板のFET               2個。
    EQ−AMPのFET                4個。
    制御リレー                    17個。
    電解コンデンサー(ミュ−ズ)         76個。
    フイルムコンデンサー              6個。
    半固定VR                     6個。
    抵抗                         8個。
    操作トレイ駆動ベルト。
    パネル照明ランプ                 5個。
    WBT RCA端子 WBT−0201       3組(定価で工賃込み)

E. 調整・測定

F. 修理費   142,000円   オーバーホール修理

S. KENWOOD L−02a の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前左から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後右から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前右から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後左から見る
A31. 点検中 SP接続端子
A32. 点検中 入出力 RCA端子郡
A33. 点検中 AUX入力RCA端子
A34. 点検中 プリ出力RCA端子
A41. 点検中 上、下蓋を取り、上から見る
A42. 点検中 上、下蓋を取り、下から見る
A43. 点検中 下蓋裏の錆や埃。
A61. 点検中 電源部・前から見る
A62. 点検中 電源部・前左から見る
A63. 点検中 電源部・後から見る
A64. 点検中 電源部・後右から見る
A65. 点検中 電源部・上から見る
A66. 点検中 電源部・接続する機器の為のコンセント。
A71. 点検中 電源部・下から見る
A72. 点検中 電源部・下前から見る
A73. 点検中 電源部・下前右から見る
A74. 点検中 電源部・下後から見る
A75. 点検中 電源部・下後左から見る
A81. 点検中 電源部・上蓋を取り上から見る
A82. 点検中 電源部・上蓋を取り上から見る、 「65」は製造番号?
A83. 点検中 電源部・上蓋を取り上前から見る
A84. 点検中 電源部・上蓋を取り上前から見る、 222VA−2個+30VA+電源SW用の4トランス使用
A91. 点検中 コネクター点検、ケーブル外皮がストッパーから外れている!
A92. 点検中 交換する電源投入リレーの比較。
                          左=付いている物(1a=10A)、 右=交換する物で、2倍の容量を持つ(2a=10A)
                          パラ(W)接点となり、片側がアークを引き受けるので、もう片方は接点消耗が無に近い
                          但し、足数が増すので、基板の加工が必要となる。
A93. 点検中 交換するSP接続端子、物理的な制約があるので、これを選定する。
C. 修理状況。
C1. 修理中 基板を取り外す
C11. 修理前 左側終段TR(トランジスター)取付基板
C12. 修理(半田補正)後 左側終段TR(トランジスター)取付基板
C13. 完成左側終段TR(トランジスター)取付基板 洗浄後防湿材を塗る。
C14. 修理前 左側終段TR(トランジスター)取付基板
C15. 修理(半田補正)後 左側終段TR(トランジスター)取付基板
C16. 修理前 左側終段TR(トランジスター)取付基板
C21. 修理前 終段・プロテクト基板
C22. 修理後 終段・プロテクト基板 リレー5個、電解コンデンサー14個交換
            使用されているSP接続リレーは同型が市場に無いので、物理的・電気的に、適当な物に交換する
            基板加工が必要ですが、使用した物は、接点容量は4倍(20A)になる。
C23. 修理前 終段・プロテクト基板裏
C232. 修理中 終段・プロテクト基板裏、SP接続リレーの端子が未半田!
C233. 修理中 終段・プロテクト基板裏、取り出したSP接続リレー、確かに端子が未半田!
C234. 修理中 終段・プロテクト基板裏、取り出したSP接続リレー、反対側も未半田!
C235. 修理中 終段・プロテクト基板裏、半田不良予備軍
C236. 修理中 終段・プロテクト基板裏、半田不良予備軍2
C24. 修理(半田補正)後 終段・プロテクト基板裏。 半田を全部やり直す。
C25.完成終段基板 終段・プロテクト基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 ドライブAMP基板
C32. 修理後 ドライブAMP基板 半固定VR4個、リレー1個、FET4個、電解コンデンサー16個交換、フイルムコンデンサー2個追加
C33. 修理前 ドライブAMP基板裏
C331. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所、製造時からの半田球も付いている。
C332. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所、製造時からの半田球も付いている2。
C333. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所3。
C334. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所4。
C335. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所5。
C336. 修理中 ドライブAMP基板裏、 半田不良ケ所6。
C34. 修理(半田補正)後 ドライブAMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C35. 完成ドライブAMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 SW(switch)コントロール基板
C42. 修理後 SWコントロール基板 リレー7個、電解コンデンサー21個、フイルムコンデンサー2個交換
C43. 修理前 SWコントロール基板裏
C44. 修理(半田補正)後 SWコントロール基板裏。 半田を全部やり直す。
C46. 完成SWコントロール基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 EQ−AMP(equalize-amplifier)基板
C52. 修理後 EQ−AMP基板 リレー1個、半固定VR2個、電解コンデンサー20個交換
C53. 修理前 EQ−AMP基板裏
C532. 修理中 EQ−AMP基板裏、半田不良ケ所
C54. 修理(半田補正)後 EQ−AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C55. 完成EQ−AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 入力RCA端子基板
C62. 修理後 入力RCA端子基板 リレー8個、電解コンデンサー1個交換
C63. 完成入力RCA端子基板 洗浄後防湿材を塗る。
C64. 修理前 入力RCA端子基板裏
C65. 修理(半田補正)後 入力RCA端子基板裏。 半田を全部やり直す。
C66. 完成入力RCA端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C67. 修理前 入出力 RCA端子郡
C68. 修理(交換)後 入出力 RCA端子郡、 PHONO1、PHONO2、TUNERをWBT RCA端子 WBT−0201 に交換
C71. 修理前 VR、SW基板
C72. 修理前 VR、SW基板裏
C73. 修理(半田補正)後  VR基板裏。 半田を全部やり直す。
C74. 完成VR基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C75. VR清掃中、左側」の電極は上半分研磨。
C81. 修理前 バランスVR基板
C82. 修理前 バランスVR基板裏
C822. 修理中 バランスVR基板裏、半田不良ケ所
C83. 修理(半田補正)後 バランスVR基板裏。 半田を全部やり直す。
C84. 完成バランスVR基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 入力SW基板
C92. 修理前 入力SW基板裏
C93. 修理(半田補正)後 入力SW基板裏。 半田を全部やり直す。
C94. 完成入力SW基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 整流基板
CA2. 修理前 整流基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 整流基板裏。 半田を全部やり直す。
CA4.完成整流基板裏 洗浄後
CB1. 修理前 SP端子
CB2. 修理中 SP端子の内側、端子取り付けビスが逆!
CB3. 修理(交換)後 SP端子
CC1. 修理前 電源部、 上から見る。
CC2. 修理後 電源部、 上から見る。
CC3. 修理前 電源部、前上から見る。
CC4. 修理後 電源部、前上から見る。
CD1. 修理前 電源部基板 
CD2. 修理後 電源部基板 電解コンデンサー6個、リレー1個交換
CD21. 修理前 電源部基板ラッピングその1
CD22. 修理後 電源部基板ラッピングその1 ハンダを浸み込ませる
CD23. 修理前 電源部基板ラッピングその2
CD24. 修理後 電源部基板ラッピングその2 ハンダを浸み込ませる
CD25. 修理前 電源部基板ラッピングその3
CD3. 修理後 電源部基板ラッピングその3 ハンダを浸み込ませる
CD4. 修理前 電源部基板裏
CD42. 修理中 電源部基板裏、もう少し半田ののりが欲しい所
CD43. 修理中 電源部基板裏、、半田不良ケ所
CD5. 修理(半田補正)後 電源部基板裏。 半田を全部やり直す。
CD6. 完成電源部基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CE1. 修理前 コネクター点検
CE2. 修理後 コードを押し込み接着する
CE3. 修理後 コードを押し込み接着する、反対側。
CF1. 修理前 トレイ駆動装置 ベルトが伸びている
CF2. 修理後 トレイ駆動装置 ベルト交換
CF3. 修理中 ベルトの比較、 左=新しい物。 右=使用していた物。
CG1. 前面パネルを取り修理(清掃)中、汚れはタバコのヤニ、真ん中のウエスの汚れ
CG2. 修理(清掃)中 パネル清掃
CG3. 修理中 照明拡散プラスック清掃。
CG4. 修理中 照明・LED基板、 パネル照明ランプ5個交換
CG5. 修理前 照明・LED基板裏
CG6. 修理(半田補正)後 照明・LED基板裏。 半田を全部やり直す。
CG7. 完成照明・LED基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CG8. 完成 LED照明も考慮したが、やはり電球が良い!
CH1. 修理中 トレー操作基板を取り外す
CH2. 修理前 トレー操作基板
CH3. 修理後 トレー操作基板 電解コンデンサー6個交換
CH4. 修理前 トレー操作基板裏
CH42. 修理中 トレー操作基板裏、 半田不良ケ所
CH43. 修理中 トレー操作基板裏、 SWの足が片方止めていない(設計ミス)
CH44. 修理後 トレー操作基板裏、 反対側から鈴メッキ線で固定する
CH5. 修理(半田補正)後 トレー操作基板裏。 半田を全部やり直す。
CH6. 完成トレー操作基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CH7. トレー操作パネル清掃、 左半分清掃済み
CI1. 交換部品
CJ1. 修理前 上から見る
CJ2. 修理後 上から見る
CJ3. 修理前 下から見る
CJ4. 修理後 下から見る
CJ5. 完成、 綺麗なお尻で帰ります。
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み調整・測定
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=R出力電圧測定 下段中右下 デジタル電圧計=L出力電圧測定
E21. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% AUX入力 1000HZ
E22. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% AUX入力 1000HZ
E23. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% AUX入力 400HZ
E24. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% AUX入力 400HZ
E31. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MM入力 1000HZ
E32. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MM入力 1000HZ
E33. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MM入力 400HZ
E34. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MM入力 400HZ
E41. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.04% MC入力 1000HZ
E42. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MC入力 1000HZ
E43. R−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MC入力 400HZ
E44. L−SP出力(8Ω) 38V=180W 歪率=0.02% MC入力 400HZ
S. KENWOOD L−02a  の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 DLD(ダイナミック・リニアドライブ)サーキット・インテグレーテッドアンプ L02A
定格出力(両ch動作) 170W+170W(8Ω、20Hz〜20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz、THD 0.003%)
ダイナミックパワー 390W+390W(4Ω)
250W+250W(8Ω)
全高調波歪率 TUNER・AUX・TAPE→SP端子。
    定格出力時  20Hz〜20kHz(8Ω)=0.003%。
    1/2定格出力時 20Hz〜20kHz(8Ω)=0.003%

PHONO→SP端子(Vol−20dB)
    定格出力時  20Hz〜20kHz=0.004%
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) Tuner、Aux、Tape→SP端子:0.003%(8Ω)
周波数特性(Tuner、Aux、Tape→SP端子) DC〜400kHz -3dB
SN比(IHF-A、定格出力時、SP端子) Phono MM=91dB以上
Phono MC=73dB以上
Tuner、Aux、Tpae=110dB以上
サブソニックフィルター 18Hz、6dB/oct
ラウドネスコントロール(Volume-30dB) 30Hz〜100Hz連続可変
+3dB/+6dB/+9dB
ダンピングファクター(55Hz、8Ω) 10,000以上
ライズタイム 0.9μs
スルーレート ±150V/μs
入力感度/インピーダンス(定格出力時、SP端子) Phono MM=2.5mV/47kΩ
Phono MC=0.1mV/100Ω
Tuner、Aux、Tape=150mV/30kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、歪率0.0007%) MM=350mV
MC=15mV
Phono RIAA偏差 20Hz〜20kHz ±0.2dB
出力レベル/インピーダンス Tape rec(pin)=150mV/430Ω
Pre out(最大出力)=2V/600Ω
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力(電気用品取締法) 420W
電源コンセント 電源スイッチ連動=2系統、250W
電源スイッチ非連動=1系統、500W
外形寸法 本体=幅480×高さ183×奥行343mm
電源部=幅480×高さ181×奥行163mm
ドッキング時=幅480×高さ183×奥行482mm
重量 本体=約17.5kg
電源部=約17kg
ドッキング時=約34.5kg
価格 55万円(1982年発売)
特色。
  • 新開発のMM・MC入力差替えイコライザーアンプ。
  • アンプの入力波形=スピーカーのドライブ波形。
  • スピーカーの入力端子までを保証するΣドライブ。
  • 低インピーダンス負荷にもすぐれたドライブ能力を示すダイナミック・パワーサプライ。
  • 大容量電源部。
  • 初段にデュアルFETを使ったDCパワーアンプ。
  • 各ステージを完全シールド、相互干渉を防いだシャーシ構造。
  • 鳴きを抑えた重量級設計。
  • Σドライブ理論にそった独自の回路設計。
  • 着脱可能なセパレート電源。
  • 豊富なファンクションを内蔵したスライドコントロールボックス。
使用上の注意。
  • 周波数によって、大幅にインピーダンスの変化するスピーカーシスムは、定格出力内でもプロテクトが働く場合があります。
  • 入力切り替えはリレーで行われますが、唯一「MM/MC」の切り替えはメカSWに成ります。
  • 電源SWはリレー投入ですので、長く使用しない場合は、コンセントを抜くか、外部SWで行いましょう。
                      l-02a6-4a
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。 写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。 Copyright(C) 2019 Amp Repair Studio All right reserved.