LUX KMQ−80 2台目修理記録  
平成19年6月30日持込  平成20年1月19日完成
寸評
   このAMPは終段6336Aと12BH7Aが直結になっています。
   12BH7Aが不良になると終段6336Aのバイアス異常が起き終段6336Aが死にます、
   よって、12BH7Aへの配慮も十分して下さい。
A. 修理前の状況
  • 真空管AMP「KMQ80」と同じ真空管AMP「CL36」 の組み合わせでJAZZを聞いています。
    L側スピーカーですごい雑音、今は 音の割れが発生しています。
    製造メーカで修理お願いしたところ、下記
       1.大きなノイ ズの症状でず、基板のホコリ?
       2.タイムミューティング用タンタルコンデンサ ー、抵抗劣化交換。
       3.12BH7用9Pソケット接触不安定、交換。
       4.基板ク リニング、再調整。
       5.小さなノイズは、真空管6267のノイズと思われる。
    の処置で回復はしました。

    しかし、現在は、以前と同じ症状が発生しています。
    原因箇所 を突き止めるため行ったことは、AMP入れ替えによる識別(KMQ80に原因 あり)
    RL真空管抜き差しによる入れ替え(症状改善変化なし)
    目視点検等を行 い、さらにある人のアドバイスにより「ルーペ」を用いて
    コンデンサ、抵抗、 接続端子半田あげ等点検したところ、
    コンデンサの亀裂、抵抗に穴が空いて いる、半田あげ不良等多数見つかりました。
    頻繁に使用しているためか、又年数 がかかっているためかかなりのダメイジがあるようも思われます。


B. 症状、原因
  • 抵抗焼損及び劣化。
    結合コンデンサ−容量抜け。


C. 修理状況
  • 結合コンデンサ−交換。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    真空管ソケット交換。
    6336A,12BH7A回り、ソリッド抵抗交換。
    電源3Pインレット・ソケットに交換。
    プロテクト回路リレー交換。


D. 使用部品
  • 6336A用GTソケット(金メッキ)       2個。
    12BH7A用MTソケット(金メッキ)      2個。
    6AQ8/6267用基板用MTソケット    4個。
    メタライズド・フィルムコンデンサ−     14個。
    抵抗                         4個。
    電解コンデンサ−                9個。
    半固定VR                    1個。
    電源コンデンサ−増量             4個。
    整流ダイオ−ド                 8個。
    リレー                       1個。
    抵抗                        8個(リケノーム予定)
    3Pインレット・ソケット             1個。


E. 調整・測定

F. 修理費   100,000円    オーバーホール修理。
                         真空管別途。

S. LUX KMQ 80 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A1A. 点検中 前上から見る
A1B. 点検中 後上から見る
A1C. 点検中 上から見る
A2. 点検中 6336A、12BH7のソケット
A3. 点検中 下から見る
A4. 修理前 整流・プロテクト基板
A5. 修理前 前段基板裏
C. 修理状況
C1A. 修理前 整流・プロテクト基板
C1B. 修理後 整流・プロテクト基板  電解コンデンサー4個、ダイオード10個交換
C1C. 修理前 整流・プロテクト基板裏
C1D. 修理(半田補正)後 整流・プロテクト基板裏
C1E. 完成整流・プロテクト基板裏、洗浄後
C2A. 修理前 プロテクトリレー基板
C2B. 修理後 プロテクトリレー基板
                     電解コンデンサー2個、ダイオード1個、リレー1個、半固定VR、フイルムコンデンサー1個交換
C2C. 修理前 プロテクトリレー基板裏
C2D. 修理(半田補正)後 プロテクトリレー基板裏
C2E. 完成プロテクトリレー基板裏、洗浄後
C3A. 修理前 前段基板
C3B. 修理後 前段基板 電解コンデンサー2個フイルムコンデンサー10個、抵抗12個交換
C3C. 修理前 前段基板裏
C3D. 修理(半田補正)後 前段基板裏 MT9ピンソケット4個交換
C3E. 完成前段基板裏 洗浄後
C4A. 修理前 6336A・12BH7周辺の配線
C4A1. 修理中 6336A・12BH7周辺の配線、出来るだけ絡げる。
C4A2. 修理中 6336A・12BH7周辺の配線、出来るだけ絡げる。
C4B. 修理後 6336A・12BH7周辺の配線
C5A. 修理前 ブロックコンデンサー回り配線
C5B. 修理後 ブロックコンデンサー回り配線、整流ダイオード4本交換、電解コンデンサー2個追加。
C6A. 修理前 6336A、12BH7ソケット
C6B. 修理(交換)後 6336A、12BH7ソケット
C7A. 修理前 電源ソケット
C7B. 修理(交換)後 電源3Pインレット・ソケット
C8A. 修理前 真空管6336A、12BH7のソケット
C8B. 修理(交換)後 真空管6336A、12BH7のソケット
C9. 交換部品
CAA. 修理前 上から見る
CAB. 修理後 上から見る
CAC. 修理前 下から見る
CAD. 修理後 下から見る
E.  調整・測定>
E1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SPからの出力を測定
   下中オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下右上=周波数計
   上左端電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上中左歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上中右=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上右端オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力
   下中右上デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
E2A. R側SP出力電圧18V=40W 歪み率1%(3%レンジ) at=1000HZ
E2B. L側SP出力電圧18V=40W 歪み率2%(3%レンジ) at=1000HZ、 6336Aの劣化(エミ減)の為出力でない。
E3A. R側SP出力電圧18V=40W 歪み率1%(3%レンジ) at=400HZ
E3B. L側SP出力電圧18V=40W 歪み率1%(3%レンジ) at=400HZ、 6336Aの劣化(エミ減)の為出力でない。
E4A. 実働試験後引き続き、24時間エ−ジング開始
E4B. 24時間エ−ジング中
S. LUX KMQ 80 の仕様(マニアルより) 
型式 管球式パワーアンプキット
回路方式 クロスシャントPP回路
連続実効出力 40W/40W(8Ω、両ch動作)
全高調波歪率 1%以下(40W/40W、1kHz)、 0.5%以下(30W/30W、1kHz)
周波数特性 10Hz〜50kHz -1dB以内
入力感度 約800mV(8Ω、40W)
入力インピーダンス 約82kΩ
残留雑音 1mV以下
ダンピングファクター 15(8Ω負荷)
負荷インピーダンス 4Ω、8Ω、16Ω
付属装置 動作チェック用チップジャック、 入力レベルセット
使用真空管 終段出力真空管=6336A×2
12BH7A×2、 6AQ8×2、 6267×2
使用半導体 ダイオード=S3G80Z×4、 RA1B×11、 S1R60×4、 KB169×1、 KB265×1。
サイリスタ=N13T1×1、 SF3G14×1、 2SF658×1。
消費電力(電源電圧 100V) 250W(最大出力時350W)
外形寸法 幅435×高さ165×奥行260mm
重量 17kg
別売 ボンネット B-80(\6,000)、 アッセンブリマニュアル(\2,500)
              kmq80-216
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