Sansui B−2301L. 5台目修理記録
同時修理 Sansui C−2301.  3台目修理はこちら     平成23年12月17日持込   平成24年1月3日完成
注意 このAMPはアースラインが浮いています
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません
このAMPは、DC入力しかなく、バランスの崩れたプリAMPを繋ぐと、過大入力となります
詳しくはここを参照してください


A. 修理前の状況
  • 「電源が入りません、ジャンク品として出品致します。」をオークションで82,000で購入。
    電源基板の15Aフューズが溶断。
    LCD_VUメータは表示しない。

B. 原因
  • 終段TR(トランジスター)焼損。


C. 修理状況
  • 終段TR(トランジスター)交換
    RLバイアス・バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。
    配線手直し、補強。
    電源関係の「ブチルゴム巻・銅箔スチロールコンデンサー」の交換。
    SP接続端子交換
    WBT RCA端子
    に交換。
    電源コードを取り、3Pインレット取り付け。
    初段FET(電界効果トランジスター)交換。

D. 使用部品
  • 終段TR(トランジスター)                     8個。
    バイアス・バランス半固定VR                  12個。
    電解コンデンサー                         76個 。
    フイルムコンデンサー                       9個。
    リレー                                 3個。
    SP接続端子                             4個。
    WBT RCA端子 WBT−0201              1組(定価で工賃込み)
    3Pインレット                             1個 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    FET(電界効果トランジスター)

E. 調整・測定

F. 修理費  117,800円    オーバーホール修理。
                      3台目からの、お馴染みさん価格。

S. Sansui B−2301L の仕様(マニアル・カタログより)

X. C−2301と接続する為の、バランスケーブル(XLR・キャノン) 別ファイルが開きます。

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
   重いので、何時も撮影するデスクに設置できず、玄関上がり間で撮影しました。ストロボが少なく綺麗に撮影出来ません!
   特に、サイドパネルはデコラ(表に貼られた透明の樹脂)の底の部分に光が反射して写ります。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 右から見る
A14. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後左から見る
A16. 点検中 左から見る
A17. 点検中 上から見る
A18. 点検中 上蓋を外し、上から見る
A19. 点検中 上蓋・前パネル・シールドを外し、上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下蓋を外し、下から見る
A27. 点検中 下蓋・前パネル・シールドを外し、下から見る
A31. 点検中 下蓋裏の埃と錆
A32. 点検中 右側AMP銅板シールドの凹み
A41. 点検中 電源基板の15Aフューズが溶断している
A42. 点検中 LCD_VUメータは表示しない
A51. 点検中 前パネル「LCD_VUメータ」のガラス左上角のヒビ?
A61. 点検中 R側AMPブロック基板裏、 湿度が高く、放電した跡?
A62. 点検中 L側AMPブロック基板、 温度が高くなり、絶縁ビニール被覆が收縮した?
A7. 点検中 電源トランスの詰め物、焼けも無く、綺麗です。
A81. 点検中 交換するSP接続端子
A82. 点検中 SP接続端子比較。
A9. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                       右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
                      このAMPでは、2パラで使用していますが、片側はアークにさらされ、2倍にはなりません。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C10. 修理中 シャーシを反転するので、RL終段AMPブロックを取り外し、電源トランス・ブロック電解コンデンサーの保護の為、ウエスを巻き付けた所。
C102. 修理中 シャーシを反転した所。
C11. 修理前 R側AMPブロック
C112. 修理中 R側AMPブロック、横取り付けの電解ブロックコンデンサー、底だけの固定なので曲がっている。
C113. 修理後 R側AMPブロック、 横取り付けの電解ブロックコンデンサー、頭の所を固定する。
C114. 修理後 R側AMPブロック、 反対側。
C12. 修理前 R側AMPブロック裏
C13. 修理前 R側AMP基板
C132. 修理中 R側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C133. 修理後 R側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いた。
C134. 修理中 R側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C135. 修理後 R側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2を取り除いた。
C14. 修理後 R側AMP基板。 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR4個、電解コンデンサー16個交換。
C15. 修理前 R側AMP基板裏
C16. 修理(半田補正)後 R側AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C18. 完成R側AMP基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C19. 修理後 R側AMPブロック
C1A. 修理後 R側AMPブロック2
C21. 修理前 L側AMPブロック
C212. 修理中 L側AMPブロック、横取り付けの電解ブロックコンデンサー、底だけの固定なので曲がっている。
C213. 修理後 L側AMPブロック、 横取り付けの電解ブロックコンデンサー、頭の所を固定する。
C214. 修理後 L側AMPブロック、 反対側。
C22. 修理前 L側AMPブロック裏
C23. 修理前 L側AMP基板
C232. 修理中 LAMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C233. 修理後 L側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いた。
C234. 修理中 L側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C235. 修理後 L側AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2を取り除いた。
C24. 修理後 L側AMP基板。 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR4個、電解コンデンサー16個交換。
C25. 修理前 L側AMP基板裏
C26. 修理(半田補正)後 L側AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C28. 完成L側AMP基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C29. 修理後 引きだし電源電線を保護する。
C2A. 修理後 引きだし電線を保護する。
C2B. 完成L側AMPブロック。
C2C. 完成L側AMPブロック2。
C31. 修理前 電源・プロテクト基板
C32. 修理後 電源・プロテクト基板 電解コンデンサー14個、フイルムコンデンサー7個、電源投入リレー1個交換
               短絡事故を起こす、「ブチルゴム巻・銅箔スチロールコンデンサー」はセラミックコンデンサーに交換する。
                         詳しくは、こちら参照
C33. 修理前 電源・プロテクト基板裏、 基板裏付け部品は、表へ移動する。
C34. 修理(半田補正)後 電源・プロテクト基板裏。 半田を全部やり直す。
C36. 完成電源・プロテクト基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C41. 修理前 入力AMP基板
C412. 修理中 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C413. 修理中 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材が部品の足を腐食する。
C414. 修理後 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いた。
C415. 修理中 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C416. 修理中 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材が部品の足を腐食する2。
C417. 修理後 入力AMP基板、電解コンデンサー固定用の接着材2を取り除いた。
C42. 修理後 入力AMP基板 電解コンデンサー12個、半固定VR2個交換
C43. 修理前 入力AMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 入力AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
                    写真紛失
C45. 完成入力AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C51. 修理前 入力VR基板
C511. 修理前 入力VR基板、 SWには接点復活剤が注入されている。
C512. 修理前 入力VR基板、 SW2には接点復活剤が注入されている。
C513. 修理前 入力VR基板、 SW3には接点復活剤が注入されている。
C53. 修理前 入力VR基板裏
C54. 修理(半田補正)後 入力VR基板裏。 半田を全部やり直す。
C56. 完成入力VR基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C60. 修理中 SP接続端子ブロック
C602. 修理中 SP接続端子取り付け板の穴加工。
C603. 修理後 SP接続端子ブロック、端子4個交換
C604. 修理中 SP接続端子ブロック裏
C605. 修理中 SP接続端子ブロック裏、 SP接続端子の止めネジは半田固定
C606. 修理中 SP接続端子ブロック裏、SP接続端子の止めネジに緑青が発生。
C61. 修理前 SP接続リレー基板
C62. 修理後 接続リレー基板、リレ2個交換。
C63. 修理前 接続リレー基板裏
C64. 修理(半田補正)後 接続リレー基板裏。 半田を全部やり直す。
C66. 完成L−SP接続リレー基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C71. 修理前 電源表示LED基板・モードSW基板
C72. 修理前 電源表示LED基板裏・モードSW基板裏
C73. 修理(半田補正)後 電源表示LED基板裏・モードSW基板裏。 半田を全部やり直す。
C74. 完成電源表示LED基板裏・モードSW基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C801. 修理前 VUメータ
C802. 完成VUメータ
C803. 修理前 VUメータ裏
C804. 完成VUメータ裏
C811. 修理前 VUメータ基板1
C812. 修理後 VUメータ基板1 半固定VR1個、電解コンデンサー12個交換
C813. 修理前 VUメータ基板1裏、 基板裏付け部品は、表へ移動する。
C814. 修理(半田補正)後 VUメータ基板1裏。 半田を全部やり直す。
C815. 完成VUメータ基板1裏 洗浄後防湿材を塗る
C821. 修理前 VUメータ基板2
C822. 修理後 VUメータ基板2 半固定VR1個、電解コンデンサー1個交換
C823. 修理前 VUメータ基板2裏
C824. 修理(半田補正)後 VUメータ基板2裏。 半田を全部やり直す。
C825. 完成VUメータ基板2裏 洗浄後防湿材を塗る
C826. 修理中 VUメータ回路の電源トランスの止めネジが1つ締めていない!
C831. 修理中 VUメータバックランプ、綺麗です。
C832. 修理前 VUメータランプ基板裏
C833. 修理(半田補正)後 VUメータランプ基板裏。 半田を全部やり直す。
C834. 完成VUメータランプ基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C841. 修理中 LED表示基板
C842. 修理前 LED表示基板裏
C843. 修理(半田補正)後 LED表示基板裏。 半田を全部やり直す。
C845. 完成LED表示基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C91. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー周り
C92. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー周り、 B−2302Vと同じく、電解コンデンサー4個、フイルムコンデンサー2個追加
CA1. 修理前 電源ケーブル取り付け部
CA2. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工
CA3. 修理後 3Pインレット取り付 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
CA4. 修理前 入力RCA端子
CA5. 修理中 入力RCA端子取り付け穴加工
CA6. 修理中 入力RCA端子取り付け穴加工 WBT RCA端子 WBT−0201    
CA7. 修理後 最後に、自動車用ワックスを掛けた、後パネル。
CB1. 修理中 パネル清掃。
CB2. 修理中 ツマミ清掃。
CC1. 交換した部品1
CC2. 交換した部品2
CC3. 交換した部品3
CC4. 交換した部品、 SP接続リレーの焼けただれた接点。 多分「DC漏れ」が有ったのでしょう?
CC1. 修理前 上から見る
CC2. 修理後 上から見る
CC3. 修理前 下から見る
CC4. 修理後 下から見る
CC5. 修理後 前から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.007%歪み。
             L側SP出力電圧51V=325W出力、 0.008%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧49V=300W出力、 0.008%歪み。
              L側SP出力電圧51V=325W出力、 0.009%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.009%歪み。
              L側SP出力電圧51V=325W出力、 0.006%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.012%歪み。
             L側SP出力電圧51V=325W出力、 0.008%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.044%歪み。
             L側SP出力電圧51V=325W出力、 0.062%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.067%歪み。
              L側SP出力電圧50V=313W出力、 0.078%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧50V=313W出力、 0.105%歪み。
              L側SP出力電圧50V=313W出力、 0.101%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧43V=231W出力、 0.161%歪み。
               L側SP出力電圧43V=231W出力、 0.191%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
              この当たりから、フイルターが効いてきます。
E3. その時のVU−LCD表示
E4. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E7. 引き続き24時間エージング、 左は McIntosh C27
S. Sansui B−2301L の仕様(マニアルより) 
型式 ステレオパワーアンプ B-2301
定格出力 300W+300W(8Ω,20Hz〜20kHz)
550W+550W(4Ω,1kHz)
全高調波歪率 0.003%以下(定格出力時,10Hz〜20kHz)
混変調歪率 0.003%以下(60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性 DC〜300kHz(+0,−2dB)
S/N比 120dB
スルーレイト ±300V/μs
ライズタイム 0.5μs
入力 1V(15kΩ)Normal/2V(10kΩ)Balanced
TIM歪 測定限界以下
エンベロープ歪み 測定限界以下
定格消費電力 530W(電気法による)
寸法 474W×215H×498Dmm
重量 37kg
価格 470,000(1982年発売)
                     b2301l-549
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