Sansui AU−D707. 2台目 修理記録
平成15年10月16日到着   月日完成
A. 修理前の状況
  •  就職して初めて自分で購入したプリメインです。
     小さい時分に、親戚のラック に詰まれた黒いアンプ群に魅了されて、 2台の黒いアンプを買ってもらったサンスイ党です。 一緒に購入したピカリング のカートリッジの交換針が手に入らず、 この春新しいピカリングを購入して、いよいよ使ってみようと思ったところ、プロ テクションが働いてインジケータが点滅状態です。
     一度は電源再投入で起動した ものの、いよいよだめになったようです。
    購入以来ほとんど電源を落としたことが ありません。
    ボリューム0時でも、Rチャンネルから、バリバリという雑音が出るようになってしまいました。

B. 原因
  •  各部劣化
     初段FET(電界効果トランジスター)劣化
     ブロック電界コンデンサー液漏れ

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換
      各初段FET(電界効果トランジスター)交換
      電解コンデンサー交換(ミューズ使用)
      配線手直し、補強
      各部、半田補正
      ブロック電解コンデンサー交換

D. 使用部品
  •  半固定VR           8個
      FET(電界効果トランジスター) 6個
      電解コンデンサー         79個(ミュ−ズ使用)
      SP接続リレー          2個
      TR(トランジスター)      4個
      ブロック電解コンデンサー  2/4個 同機種中古品より

E. 調整・測定


F. 修理費   85,000円     オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sansui AU−D707 の仕様(マニアル・カタログより)

A. A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A1. 修理前 上から見る
A2. 修理前 整流部分の埃
A3. 修理前 底板のブロック電解コンデンサーの液漏れ跡
A4. 修理前 上からブロック電解コンデンサー見る 1本おきに磨いた
A5. 修理前 綺麗でも、しっかりと液漏れしている、連結端子も傾いている
A6. 修理前 下から見る
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 メイン・ドライブAMP基盤
C12. 修理後 メイン・ドライブAMP基盤 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー20個交換
C13. 修理前 メイン・ドライブAMP基盤裏
C14. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基盤裏 全半田やり直し
C15. 完成メイン・ドライブAMP基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 コントロ−ルAMP基盤
C22. 修理(半田補正)後 コントロ−ルAMP基盤 FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR2個、電解コンデンサー12個交換。
C23. 修理前 コントロ−ルAMP基盤裏 
C24. 修理(半田補正)後 コントロ−ルAMP基盤裏  全ての半田をやり直す
C25. 完成R側コントロ−ルAMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C26. 修理前 コントロ−ルAMP基盤  左端子接続端子の半田のりが少ない!
C27. 修理前 コントロ−ルAMP基盤  右端子接続端子の半田のり=少ない!
C31. 修理前 セレクターSW基盤裏
C32. 修理(半田補正)後 セレクターSW基盤裏  全ての半田をやり直す
C33. 完成 セレクターSW基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 INPUT−SW基盤裏 
C42. 修理(半田補正)後 INPUT−SW基盤裏  全ての半田をやり直す
C73. 完成 INPUT−SW基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 TONE−SW基盤裏
C52. 修理(半田補正)後 TONE−SW基盤裏  全ての半田をやり直す
C53. 完成 TONE−SW基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 TONE−VR基盤裏
C62. 修理(半田補正)後 TONE−VR基盤裏  全ての半田をやり直す
C63. 完成 TONE−VR基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 コントロ−ル−SW基盤
C72. 修理前 コントロ−ル−SW基盤裏
C73. 修理(半田補正)後 コントロ−ル−SW基盤裏 全ての半田をやり直す
C74. 完成 コントロ−ル−SW基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理前 電源整流基盤
C82. 修理前 電源整流基盤裏
C83. 修理(半田補正)後 電源整流+プロテクト基盤裏  全ての半田をやり直す
C84. 完成 電源整流+プロテクト基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 電源整流基盤2
C92. 修理後 電源整流基盤2 電解コンデンサー5個交換
C93. 修理前 電源整流基盤2裏
C94. 修理(半田補正)後 電源整流基盤2裏  全ての半田をやり直す
C94. 完成 電源整流基盤2裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理後 RCA端子基板
CA2. 修理前 RCA端子基板裏
CA3. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  全ての半田をやり直す
CA4. 完成 RCA端子基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理前 プリメインRCA端子基板。
CB2. 修理後 プリメインRCA端子基板。 高価なBPに変更したので「2個→1個」
CB3. 修理前 プリメインRCA端子基板裏
CB4. 修理(半田補正)後 プリメインRCA端子基板裏 太いケーブルを付けるのでRCA端子は十分に半田盛る
CB5. 完成プリメインRCA端子基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CC1. 修理前 EQ基盤
CC2. 修理後 EQ基盤 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR2個、電解コンデンサー20個交換
CC3. 修理前 EQ基盤裏
CC4. 修理(半田補正)後 EQ基盤裏  全ての半田をやり直す
CC5. 完成EQ基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CD1. 修理前 MC基盤
CD2. 修理後 MC基盤 電解コンデンサー14個交換
CD3. 修理前 MC基盤裏
CD4. 修理(半田補正)後 MC基盤裏  全ての半田をやり直す
CD5. 完成MC基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CE1. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基盤
CE2. 修理後 SP接続リレー・プロテクト基盤 SP接続リレー2個、電解コンデンサー6個交換
CE3. 修理前 SP接続リレー・プロテクト基盤裏
CE4. 修理(半田補正)後 SP接続リレー・プロテクト  全ての半田をやり直す
CE5. 完成SP接続リレー・プロテクト基盤裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CF. パネル清掃
CG. 交換部品
CH1. 修理前 上から見る
CH2. 修理後 上から見る
CH3. 修理前 下から見る
CH4. 修理後 下から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD_50Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W、 0.0176%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W、 0.0164%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD_100Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0130%歪み。
                  L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0150%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD_500Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0146%歪み。
                  L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0168%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD_1kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0152%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0169%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD_5kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0289%歪み。
               L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0465%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. CD_10kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0315%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0292%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD_20kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0223%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0242%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0129%歪み。
               L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0147%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0113%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0100%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250kHz、右=1kHz。
E23. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.00964%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0134%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0113%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0151%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0201%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0224%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=100kHz。
E26. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0250%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0252%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM_20kHz入力、R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.0146%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0215%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=500kHz。
E31. MC_50Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W、 0.0433%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W、 0.037%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MC_100Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0319%歪み。
                  L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0196%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MC_500Hz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0362%歪み。
                  L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0234%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MC_1kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0354%歪み。
                L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0251%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MC_5kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0368%歪み。
               L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0395%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MC_10kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0414%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0497%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MC_20kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0390%歪み。
                 L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.0403%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. フルパワー出力なので、 24V高速フアンが全回転でクーリング。
Y. ユーザー宅へ設置。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
S. Sansui AU−D707 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 ワイドレンジDCプリメインアンプ AU−D707
パワーアンプ部
実効出力 90W+90W(10Hz〜20kHz、THD 0.008%、8Ω)
90W+90W(1kHz、THD 0.003%、8Ω
全高調波歪率 0.008%以下(10Hz〜20kHz、実効出力時、8Ω)
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) 0.008%以下
出力帯域幅 3Hz〜70kHz(IHF、両ch動作、1kHz、8Ω)
ダンピングファクター 100(IHF、両ch動作、1kHz、8Ω)
周波数特性 DC〜500kHz、+0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) 1V/47kΩ
SN比 125dB以上(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット)
チャンネルセパレーション(IHF、1kHz) 90dB以上
ライズタイム 0.5μsec
スルーレイト ±200V/μsec
プリアンプ部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono-1 MM:2.5mV/47kΩ
Phono-1 MC:0.1mV/100Ω
Phono-2 MM:2.5mV/47kΩ
AUX、Tuner、Tape Play 1、2(PIN):150mV/47kΩ
MC適合インピーダンス 100Ω以下
Phono最大許容入力(1kHz) Phono MM:350mV(THD 0.01%)
Phono MC:30mV(THD 0.03%)
出力電圧(1kHz) Tape Rec 1、2(PIN、47kΩ時):150mV
Pre Out(47kΩ時):1V
Max Pre Out(THD 0.05%、47kΩ時):4V
出力インピーダンス(1kHz) Tape Rec 1、2:600Ω以下
全高調波歪率 Phono MC(1kHz、6V):0.01%以下
Phono MM(20Hz〜20kHz、6V):0.005%以下
AUX、Tuner、Tape Play 1、2(20Hz〜20kHz、1V):0.005%以下
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) AUX、Tuner、Tape Play 1、2(1V):0.005%以下
周波数特性 RIAA偏差(Phono 1、2、20Hz〜20kHz):±0.2dB
AUX、Tuner、Tape Play 1、2:5Hz〜100kHz、+0 -1dB
SN比(IHF、Aネットワーク、
ショートサーキット)
Phono MC(入力換算):-154dBV
Phono MM:90dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2:100dB以上
チャンネルセパレーション(IHF、1kHz) Phono MC:70dB以上
Phono MM:70dB以上
AUX、Tuner、Tape Play 1、2:80dB以上
入力間セパレーション
(入力ショート、1kHz)
Tuner⇔Phono MM:90dB以上
Tape Play 1、2⇔Phono MM:90dB以上
Tuner⇔Tape Play 1、2:90dB以上
Tape Play 1⇔Tape Play 2:100dB以上
トーンコントロール Bass:±6dB(50Hz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数):300Hz、150Hz
Treble:±6dB(15kHz)
トーンセレクター(ターンオーバー周波数):6kHz、3kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
ラウドネス(ボリューム -30dB時) +10dB(50Hz)
+4dB(10kHz)
ヘッドホン端子出力 120mW(8Ω)
総 合
負荷インピーダンス 4〜16Ω
定格消費電力(電気用品取締法) 230W
外形寸法 幅430x高さ168x奥行428mm
ラックマウントアダプター装着時:幅482x奥行455mm
重量 20.1kg
ラックマウントアダプター装着時:20.6kg
別売 ラックマウントアダプターBX-7(1組、¥3,000)
価格 ¥95,000(1979年頃)
                     d707-25
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