HMA−9500. 36台目修理記録
平成27年4月13日到着   4月25日完成 
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません。
    本機の様に、電源コードがシールド(アース)付きの場合、シールド(アース)は本体かプラグのどちらかで外す事。

    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • 新品で購入し、 長年使用してまいりましたHMA-9500の片側チャンネルの音が出なくなりました。
    思い入れのあるアンプです。よろしくお願いいたします。



B. 原因

  • 各部経年劣化。

C. 修理状況
D. 使用部品
  • SP接続リレー          2個。
    初段FET(電界効果トランジスター)   2個。
    RLバイアス/バランス半固定VR    6個。
    フューズ入り抵抗              30個。
    電解コンデンサー             31個 。
    フイルムコンデンサー            4個。
    整流ダイオード交換            10個。
    SP端子 WBT−0765WBT−0735互換)  2組4個。
    RCA端子  WBT−0201  1組2個(定価で工賃込み)
    電源コード(3.5スケア)    2m。
    3Pプラグ(Panasonic WF−5018)  1個。

E. 調整・測定

F. 修理費     140,800円。  (オーバーホール修理)

S. HITACHI Lo−D HMA−9500 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A26. 点検中 下蓋裏の埃。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A32. 点検中 R側ドライブ基板上の電解コンデンサ、ビニールが?けている。 頭に1982年の刻印が見える。
A33. 点検中 L側ドライブ基板上の電解コンデンサ、ビニールが?けている。 頭に1983年の刻印が見える。
A34. 点検中 電源基板上の電解コンデンサ、ビニールが?けている。 頭に1984年の刻印が見える。
A35. 点検中 電源トランスの詰め物を見る。 使用時間が長いのか、結構変色している。
A41. 点検中 電源コード。
A42. 点検中 交換する電源ケーブル(3.5スケヤ)、PSE法で絶縁皮膜が厚い。
A43. 点検中 交換する電源プラグ
A81. 点検中 入力RCA端子。
A82. 点検中 使用されていたRCA端子。 中心電極は上下で挟む方式。
A83. 点検中 使用されていたRCA端子。 挟み込むタイプなので、接触は2点(2線)のみ。
A84. 点検中 使用されていたRCA端子。 拡大。
A85. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A86. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A87. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R側ドライブ基板
C12. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                      フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)4個交換
C13. 修理(清掃)前 R側放熱器裏の埃
C14. 修理(清掃)後 R側放熱器裏
C15. 修理前 R側ドライブ基板裏
C152. 修理中 R側ドライブ基板裏。 基板用のリレーが入手困難なので、一般用で交換した。
C153. 修理中 R側ドライブ基板裏。 スズメッキ線でリレー端子を補強する。
C154. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C16. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C17. 完成R側ドライブ基板裏  洗浄後
C21. 修理前 L側ドライブ基板
C22. 修理後 L側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                     フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)4個交換
C23. 修理(清掃)前 L側放熱器裏の埃
C24. 修理(清掃)後 L側放熱器裏
C25. 修理前 L側ドライブ基板裏
C252. 修理中 R側ドライブ基板裏。 基板用のリレーが入手困難なので、一般用で交換した。
C253. 修理中 R側ドライブ基板裏。 拡大されたリレー端子穴。
C254. 修理中 R側ドライブ基板裏。 スズメッキ線でリレー端子を補強する。
C255. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C26. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C27. 完成L側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C31. 修理前 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C32. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー
C33. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C34. 修理前 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C35. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー
C36. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C51. 修理前 電源基板
C52. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材が取り除かれていない、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C53. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除き、防湿材を塗る。
C54. 修理後 電源基板 フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード10個、TR(トランジスター)4個交換。
C55. 修理前 電源基板裏
C56. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す
C57. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C58. 修理中 絶縁シート
C61. 修理前 RCA端子
C62. 修理後 RCA端子 WBT−0201 使用。
C63. 修理前 RCA端子裏
C64. 修理後 RCA端子裏
C65. 修理前 入力RCA端子基板
C66. 修理前 入力RCA端子基板裏
C67. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  半田を全部やり直す
                   フイルムコンデンサー2個増設
C68. 完成RCA端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C69. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。
C6A. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。 使用するのは端に1回路なので、綺麗な接触子に交換して磨く。
C6B. 修理後 RCA端子基板のカップリングコンデンサー。 左=交換した1μ/50V、 右=付いていた1μ/100V。
           最近の部品は製造方法が改良されて小型化し、且つ 電気的特性が向上している。
           わざわざ、古製品を使用する修理屋がいるが、高域特性を重視するHMA-9500には不適。
C71. 修理前 R−SP端子
C72. 修理中 R−SP端子取り付け穴。
C73. 修理中  R−SP接続端子穴加工後
C74. 修理(交換)後 R−SP端子、 WBT−0765 (WBT−0735互換)。
C75. 修理前  R−SP接続端子裏配線
C76. 修理後  R−SP接続端子裏配線。 WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C81. 修理前 L−SP端子
C82. 修理中 L−SP端子取り付け穴。
C83. 修理中 L−SP接続端子穴加工後。
C84. 修理(交換)後 L−SP端子、 WBT−0765WBT−0735 互換)。
C85. 修理前  L−SP接続端子裏配線
C86. 修理後  L−SP接続端子裏配線。WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C91. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
C92. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C93. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
C94. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C95. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C96. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C97. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C98. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CA1. 修理前 電源ケーブル挿入部
CA2. 修理中 電源ケーブル挿入穴。
CA3. 修理中 電源ケーブル挿入穴加工後。
CA4. 修理(交換)後 電源ケーブル挿入
CA5. 修理中 電源ケーブル端末処理。
CA6. 修理後 電源ケーブル端末をラグ板に取り付け・半田処理。
CA7. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上の白線=巻き付いた端側、 下の黒線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CA8. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上の黒線=巻き付いた端側、 下の白線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
CA9. 完成電源ケーブル、プラグ取り付け
CAA. 完成電源ケーブル、プラグ取り付け、反対側。
CB1. 修理前 電源SWエスカッション
CB2. 修理後 電源SWエスカッション
CC1. 交換部品
CD1. 修理前 下から見る
CD2. 修理後 下から見る
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より100Hz〜10kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A
E1.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00377%歪み、 50HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0028%歪み、 50HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2.  R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.00427%歪み、 100HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00393%歪み、 100HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00805%歪み、 500HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00799%歪み、 500HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0099%歪み、 1kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0098%歪み、 1kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0160%歪み、 5kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0166%歪み、 5kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0159%歪み、 10kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0166%歪み、 10kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00638%歪み、 50kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00656%歪み、 50kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E8.  R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.00877%歪み、 100kHZ。
     L側SP出力電圧33V=136W出力、 0.00959%歪み、 100kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E9. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
EA. 完成  24時間エージング、 右は ACCUPHASE E−303. 2台目
                       9500_362y
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