Sony TA−1120A修理記録
平成26年6月14到着  8月4日完成
A. 修理前の状況
  • 四国在住の60歳です。
    中学生の頃からのオーディオマニアで、 一時期の中断を除けば、幾度かの機器の入替を繰り返すオーディオ遍歴を 辿って参りました。
    現在はヴィンテージ機器も集めております。
    修理をお願いしたいのは、SONY TA−1120A です。
    オーバーホールが希望です。


B. 原因・現状
  • 経年変化による劣化。
    L側プリバッファーAMP不良。


C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    3Pインレット取付。
    入出力RCA端子をテフロン絶縁型に交換。
    SP接続端子の交換。
    整流ダイオード交換。
    メインVR交換。


D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー          39個(ニチコン・ミューズ使用)。
    半固定VR                       4個。
    3Pインレットに交換。 FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
    テフロン絶縁型RCA端子              9組18個。
    SP接続端子                       2組4個。
    整流ダイオード                     4個。
    ブロック電解コンデンサー              5本。
    フイルムコンデンサー                 5個。
    抵抗                            4本。
    2連VR(アルプス電気製)               1個。


E. 調整・測定

. 修理費   120,000円   (オーバーホール修理)

S. Sony TA−1120A の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A16. 点検中 上蓋を取り、清掃後、上から見る。
A21. 点検中 下から見る
A212. 点検中 下から見る、 レバーSWに曲がりがある。
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A31. 点検中 電源」コード取付。
A32. 点検中 電源」コード取付。 3Pインレットに交換。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A41. 点検中 SP接続端子。
A42. 点検中 SP接続端子。 上=端子穴保護カバー有り、下=端子穴保護カバー無。
A51. 点検中 入出力RCA端子郡。
A52. 点検中 入出力RCA端子郡、 テフロン絶縁型に交換。
C. 修理状況
C01. 修理中 前後パネルを倒す。
C11. 修理前 R側−PowerAmplifier基板
C12. 修理後 R側−PowerAmplifier基板。 TR(トランジスター)1個、電解コンデンサ−9個、半固定VR2個交換。
C13. 修理前 R側−PowerAmplifier基板裏
C14. 修理(半田補正)後 R側−PowerAmplifier基板裏、 全ての半田をやり修す
C15. 修理中 R側−PowerAmplifier基板裏。 洗浄後。
C16. 完成R側−PowerAmplifier基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C21. 修理前 L側−PowerAmplifier基板
C22. 修理後 L側−PowerAmplifier基板。 TR(トランジスター)1個、電解コンデンサ−9個、半固定VR2個交換。
C23. 修理前 L側−PowerAmplifier基板
C24. 修理(半田補正)後 L側−PowerAmplifier基板裏  全ての半田をやり修す
C25. 修理中 L側−PowerAmplifier基板裏。 洗浄後。
C26. 完成L側−PowerAmplifier基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C31. 修理前 FlatAmplifier基板
C32. 修理後 FlatAmplifier基板 電解コンデンサ−4個交換
C33. 修理前 FlatAmplifier基板裏
C34. 修理(半田補正)後 FlatAmplifier基板裏、  全ての半田をやり修す
C35. 修理中 FlatAmplifier基板裏。 洗浄後。
C36. 完成FlatAmplifier基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C41. 修理後 FilterAmplifier基板
C42. 修理前 FilterAmplifier基板裏
C43. 修理(半田補正)後 FilterAmplifier基板裏、  全ての半田をやり修す
C44. 完成FilterAmplifier基板裏。 洗浄後。
C45. 完成FilterAmplifier基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C51. 修理前 Tone Control Treble基板
C52. 修理前 Tone Control Treble基板裏
C53. 修理(半田補正)後 Tone Control Treble基板裏、  全ての半田をやり修す
C54. 修理中 Tone Control Treble基板裏。 洗浄後。
C55. 完成Tone Control Treble基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C61. 修理前 ToneControl Bass基板
C62. 修理前 ToneControl Bass基板裏
C63. 修理(半田補正)後 ToneControl Bass基板裏、  全ての半田をやり修す
C64. 修理中 ToneControl Bass基板裏。 洗浄後。
C65. 完成ToneControl Bass基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C71. 修理前 EQ−Amplifier基板
C72. 修理後 EQ−Amplifier基板。 電解コンデンサ−6個交換。
C73. 修理前 EQ−Amplifier基板裏
C74. 修理(半田補正)後 EQ−Amplifier基板裏、  全ての半田をやり修す
C75. 修理中 EQ−Amplifier基板裏。 洗浄後。
C76. 完成EQ−Amplifier基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C81. 修理前 ProtectionCircuit基板
C82. 修理後 ProtectionCircuit基板 電解コンデンサ−2個、TR(トランジスター)1個交換
C83. 修理前 ProtectionCircuit基板裏
C84. 修理(半田補正)後 ProtectionCircuit基板裏、  全ての半田をやり修す
C85. 修理中 ProtectionCircuit基板裏。 洗浄後。
C86. 完成ProtectionCircuit基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C91. 修理前 定電圧基板
C92. 修理後 定電圧基板 電解コンデンサ−1個交換
C93. 修理前 定電圧基板裏
C94. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏、  全ての半田をやり修す
C95. 修理中 定電圧基板裏。 洗浄後。
C96. 完成定電圧基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C97. 修理前 整流基板
C98. 修理後 整流基板。 整流ダイオード4個交換。
C99. 修理前 整流基板裏
C9A. 修理(半田補正)後 整流基板裏、  全ての半田をやり修す
C9B. 修理中 整流基板裏。 洗浄後。
C9C. 完成整流基板裏。 さらに、洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CA1. 修理前 電源+AMP部
CA2. 修理後 電源+AMP部。 ブロック電解コンデンサー5本交換、フイルムコンデンサー5個追加。
CA3. 修理前 電源+AMP部、上から見る。
CA4. 修理後 電源+AMP部、上から見る。
CA5. 修理前 電源+AMP部、基板側から見る。
CA6. 修理後 電源+AMP部、基板側から見る。
CA7. 修理中 終段FET(電解トランジスター)点検。 ビスの増締。
CA8. 修理中 終段FET(電解トランジスター)点検。 放熱器裏側。
CB1. 修理前 電源」コード取付。
CB2. 修理後 電源コードを3Pインレットに交換。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
CC1. 修理前  SP接続端子。
CC2. 修理後  SP接続端子。
CD1. 修理前  入出力RCA端子郡。
CD2. 修理後 入出力RCA端子郡、 テフロン絶縁型に交換。
CD3. 修理前 後パネル裏。
CD4. 修理後 後パネル裏。
CD5. 修理中 シールド線の端末処理。 上=修理後、下=修理前。
CE1. 修理(清掃)前 トーンコントロールSW。
CE2. 修理(清掃)後 トーンコントロールSW。
CE3. 修理(清掃)前 モードSW、入力切換SW。
CE4. 修理(清掃)後 モードSW、入力切換SW。
CE5. 修理中 メインVRの交換。 上=付いていたVR、下=交換するVR。
CE6. 修理後 メインVRの交換。
CF. 全面パネル・ツマミ清掃。
CG. プリ出力−メイン入力のジャンパー。
CH. 交換部品 
CI1. 修理前 上から
CI2. 修理後 上から
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整、「電源電圧は50HZ 100V」。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. Tuner 50Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0847%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0835%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. Tuner 100Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0642%歪み。
                    L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0679%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. Tuner 500Hz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0659%歪み。
                    L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0675%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. Tuner 1kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0674%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0689%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. Tuner 5kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0626%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0631%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. Tuner 10kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0977%歪み。
                    L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.0889%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. Tuner 50kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.188%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.198%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM 50Hz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0345%歪み。
                 L側プリ出力電圧=2V、 0.0326%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM 100Hz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0814%歪み。
                  L側プリ出力電圧=2V、 0.0737%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM 500Hz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0477%歪み。
                   L側プリ出力電圧=2V、 0.0387%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM 1kHz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0503%歪み。
                 L側プリ出力電圧=2V、 0.0373%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM 5kHz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0535%歪み。
                 L側プリ出力電圧=2V、 0.0457%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM 10kHz入力、R側プリ出力電圧=2V、 0.0790%歪み。
                  L側プリ出力電圧=2V、 0.0738%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM 50kHz入力、R側プリ出力電圧=1.5V、 1.702%歪み。
                  L側プリ出力電圧=1.5V、 1.710%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. 引き続き24時間エージング。 左は ACCUPHASE P−300L
S. Sony TA−1120A の仕様(マニアル・カタログより)
型式 オールシリコントランジスタ・ステレオプリメインアンプ TA-1120A
回路方式 準コンプリメンタリーSEPP OTL回路
パワーアンプ部
出力 ノンクリップ・ミュージックパワー=160W(8Ω、両ch動作)
ミュージックパワー(IHFM規格)=60W+60W ±0.5dB(8Ω)
定格出力=50W+50W ±0.5dB(8Ω)、35W+35W ±0.5dB(16Ω)
歪率(IHFM規格) 20Hz〜70kHz=0.5%以下(定格出力時)
1kHz=0.1%以内(定格出力時)
1kHz=0.07%以内(25W出力時)
1kHz=0.05%以内(500mW出力時)
混変調歪率 0.3%以内(定格出力時、SMPTE規格、70Hz=7kHz)
周波数特性 10Hz〜100kHz +0 -1dB(定格出力時)
S/N比(IHFM規格、
クロスサーキット)
110dB(ASA規格Z24.3-1944の
40dB(A)カーブにてウェイトをかけて測定)
入力インピーダンス 100kΩ以上
ダンピングファクター 70以上(1kHz)
感度 1V(50W出力時)
プリアンプ部
出力 プリアンプ出力=1.5V、 Rec出力=0.2V
歪率(1.5V出力時) 0.1%以下(1kHz)
0.1%以下(30Hz)
0.2%以下(15kHz)
周波数特性 Tuner、AUX=30Hz〜100kHz +0 -2dB(30Hz以下のローカットフィルタ使用)
Phono1、2=30Hz〜15kHz ±0.5dB(RIAAイコライザによる平坦補正特性)
MIC=30Hz〜50kHz +0 -2dB
Tape Head=30Hz〜15kHz ±0.5dB(NABイコライザによる平坦補正特性、10kHzにて±3dB調整可能
感度 Tuner、AUX=200mV/100kΩ(250kΩ半固定にて調整可能)
Phono1=5mV/47kΩ
Phono2=1mV/47kΩ
Tape Head=1mV/500kΩ(4.5kΩ再生ヘッドに最適)
MIC=2mV/500kΩ
トーンコントロール Bass=100Hz±10dB
Treble=10kHz±10dB
(2dBステップ11段階切換え)
フィルター Low Filter=50Hz以下、12dB/oct
High Filter=9kHz以上、12dB/oct
S/N比(IHFM規格) AUX、Tuner=90dB以上
Phono1=80dB以上
Phono2=70dB以上
Tape Head=70dB以上
MIC=65dB以上
(ASA規格Z24.3-1944の40dB(A)カーブにてウェイトをかけて測定)
総合
使用半導体 トランジスタ(46個)
ダイオード(22個)
SCR 2SF-103=1個
電源 AC100V(117V、220V、240Vに切換可能)±10%、50Hz/60Hz
電源コンセント 電源スイッチ連動=2系統、 電源スイッチ非連動=1系統
消費電力 無信号時=約40W、 定格出力時=約260W
外形寸法 幅400×高さ145×奥行310mm
重量 約11kg
付属 ショートプラグ、 ピンプラグ、 接続コード、 シリコンクロス、5Aフューズ
別売 ユーラシアンチーク仕上げウッドケース TAC-1(\4,600)、 マウント金具 MB-5(\2,800)
価格 \96,000(1967年発売)
                     ta1120a-129
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