LUX SQ-38FD. 7台目修理
平成25年2月19日到着  5月5日完成
A. 修理前の状況
  • 永く使っておりましたラックスSQ38FD-mk2,数日前,電源を投入した途端,「シャー」という音と共に何かが焦げるような臭いがし,出力管の一本が真っ赤になりました。
    びっくりして電源を落とし,もう一度投入しても同じように真っ赤。そして,音は出ません。
    そこで,早速,ラックスのサービスセンターへ連絡を入れましたが,出力管の異常ならば修理は受け付けられないとの回答でした。
    スピーカーはJBL「Aquarius-4」です。いくつかのアンプを使いましたが,ラックスのサンパチはとても相性がよく,家族全員,心地良い思いを続けていたものです。
    また,スピーカー端子をWBTに交換していただけますととても嬉しいです。


B. 原因
  • 経年変化による劣化。

L. LUX OY15−5 出力トランス点検
  • 現在オークションでは直流抵抗を測定して、良否を表示しているが、完璧ではありません。
    正確には、交流電圧を入力し、各巻き線の出力電圧を点検する。

C. 修理状況

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定 別ファイルが開きます。
V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる購入真空管測定   別ファイルが開きます

K. 裏パネルと木製ケース修理   別ファイルが開きます

D. 使用部品
  • 出力真空管「50CA10」ソケット           4個。
    Miniature Tubes管ソケット交換            8個。
    電解コンデンサ                      個。
    ブロック電解コンデンサ                 4個。
    フイルムコンデンサ−                  個。
    半固定VR                        6個。
    整流ダイオード                     8個。
    3Pインレット                       1個。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    RCA端子                        10組20個。
    SP接続端子                       2組。WBT−0730PLダブルポールターミナル
    アース端子                        1個。
    50CA10カソード抵抗                 4本。

E. 調整・測定

F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定

G. 修理費          168,000円   オーバーホール修理。
                              但し、真空管は別途です。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. LUX SQ-38FD の仕様(マニアル・カタログより)

T. 再修理。 (2020/2/4.到着、5日完成)
          再修理は全てに優先して行います。
A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 外観 前から見る
A112. 外観 前から見る、 剥げがあるので、接着剤で固定する。
A12. 外観 前右から見る
A13. 外観 後から見る
A14. 点検中 SP接続端子の交換。
       左=WBT−0735絶縁ダブルポールターミナル 、右=WBT−0730PLダブルポールターミナルが選択出来ます。
A15. 点検中 SP接続端子の交換。
       左=WBT−0730735絶縁ダブルポールターミナル
       右=WBT−0730PLダブルポールターミナルが選択出来ます。
A16. 点検中 RCA端子交換可能。
A17. 点検中 3Pインレットに交換。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A18. 点検中 上記3つの交換をする場合、裏蓋(パネル)を外すので、アース端子交換はサービス。
A19. 外観 後左から見る
A1A. 外観 上から見る
A21. 外観 下前から見る
A22. 外観 下前左から見る
A23. 外観 下後から見る
A24. 外観 下後右から見る
A25. 外観 下から見る
A31. 点検中 木箱から取出 上から見る。
A32. 点検中 木箱から取出、上から見る
A33. 点検中 トランスからの液漏れ跡!
A34. 点検中 チョークトランスからの液漏れ跡!
A35. 点検中 木箱から取出、真空管を取り、シールドを外し、シャシの真ん中のみ清掃し、 上から見る
A36. 点検中 頭のビニールが膨れた電解コンデンサー
A37. 点検中 交換する真空管ソケットとの比較
A41. 点検中 木箱から取出 下から見る
A42. 点検中 下蓋裏のトランスから漏れた充填物
A43. 木箱から取出、下蓋をとり、 下から見る
A44. 点検中 チョークトランスからの液漏れ!
A45. 点検中 出力トランスからの液漏れ!
A51. 点検中 NEC製「50CA10」 4本。
A52. 点検中 NEC製「50CA10」 4本、袴を見る。
A61. 点検中 「6267、6AQ8」。
A62. 点検中 「6267、6AQ8」、袴を見る。
A71. 点検中 「12AX7(ECC83)」
A72. 点検中 「12AX7(ECC83)」、袴を見る。
L. LUX OY15−5 出力トランス点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
    LUX OY15−5 の仕様。
       1次インピーダンス=5kΩ(P1−B1間+B2−P2間)。
       2次インピーダンス=16Ω(最大)。
       インピーダンス比=5kΩ/16Ω=312.5、 巻き線比=17.68。
       2次16Ω端子にAC10Vを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=176.8V/2=88.4V。
L1. 点検中 右側出力トランス電圧測定。
     16Ω端子にAC10Vを入力し、1次巻き線P1−B1間電圧=83.6V、P2−B2間電圧=83.7V。
L2. 点検中 左側出力トランス電圧測定。
     16Ω端子にAC10Vを入力し、1次巻き線P1−B1間電圧=83.6V、P2−B2間電圧=83.6V。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 下から見る。
C12. 修理後 下から見る。
C21. 修理前 上から見る。
C212. 修理中 出力トランス、電解コンデンサーを取り外す。
C213. 修理(清掃)中 
C22. 修理後 上から見る。
C23. 修理後 真空管を挿し、上から見る。
C31. 修理前、メインAMP部。
32. 修理後、メインAMP部。ユーザーの要望で出力トランス保護の為、50CA10にカソード抵抗挿入。
     50CA10が劣化して、プレートがカソードに短絡しても、このカソード抵抗が焼損し、出力トランスやチョークトランス等を保護する。 短所は、ほんの少しパワーダウンするだけです。
C33. 修理前、電源トランス付近。
C34. 修理後、電源トランス付近。
C35. 修理前、出力トランス付近。
C36. 修理後、出力トランス付近。
C41. 修理前、プリAMP部。
C42. 修理後、プリAMP部。
C51. 修理前、出力真空管50CA10、前段真空管6DT8・6267のソケット。
C52. 修理中、メインAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球のダンパー管や高圧整流管です。
C53. 修理後、出力真空管50CA10、前段真空管6DT8(6AQ8)、 6267のソケット。
C61. 修理前、12AX7のソケット。
C62. 修理中、プリAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球の高圧整流管です。
C63. 修理後、12AX7のソケット。
C71. 修理前、 電源ソケット。
C72. 修理(交換)後 3Pインレットに交換。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
C81. 修理前 SP接続端子交換。
C82. 修理(交換)後 SP接続端子交換。WBT−0730PLダブルポールターミナル
C91. 修理前、  RCA端子郡。
C92. 修理(交換)後、 テフロン絶縁RCA端子に交換、アース端子も交換。
C93. 修理(交換)後、 テフロン絶縁RCA端子裏、しっかりと接着する。
CA. 前パネル清掃中。
CB1. 交換部品。
CB2. 交換部品。
CB3. 交換部品、 電源高圧ブロック電解コンデンサー。
             左=新しい電解コンデンサー(100/100μ/500WV)、右=交換した物(47/47μ/450WV)。
CC1. 完成 前右から見る。
CC2. 完成 後左から見る。
CC3. 完成 後から見る。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。

使用 終段出力真空管「50CA10」は16本より、下記の選別品を使用
C組より
 1本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=121.1mA。
 2本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=132.6mA。
 3本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=127.6mA。
A組より 
 1本目 「50CA10」 Gm=13400μmho、IP=115.7mA。
E21. AUX_50Hz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.48%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.45%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX_100Hz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.19%歪み。
                    L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.19%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX_500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.23%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.13%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX_1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.23%歪み。
                  L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX_5kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.25%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. AUX_10kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.33%歪み。
                   L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.34%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX_50kHz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 2.5%歪み。
                   L側SP出力電圧 9V=10.1W出力、 5.5%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.69%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.28%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.30%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.35%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.38%歪み。
                L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.55%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.51%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.55%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.66%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM_50kHz入力、R側SP出力電圧8.7V=36W出力、 9.5%歪み。
                 L側SP出力電圧7.2V=36W出力、 6.5%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F1. 下のオーディオアナライザーで自動測定
F21. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F22. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
        20kHzから悪くなっているのは、出力トランス保護の為、ローパスフイルターで出力をおとしている為。
F31. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最大
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F32. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最小
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F33. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最大
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F34. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最小
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F51. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(100HZ) & HighFilter(5KHZ) ON
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F52. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(50HZ) & HighFilter(9KHZ) ON
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F6. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−1
      MM入力、入力電圧=2mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E4. 完成、 24時間エージング中。 右は Sony TA−F7
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況.
Y2. フアンを設置、 供給電圧を半分くらいで回すと静かです。
Y3. レコードプレヤーも接続
T. 再修理。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
TA. 修理前の様子。
  • RL共ブーンというハムが出る。

TB. 原因。
  • ブロック電解コンデンサー容量抜け。

TD. 交換部品。
  • ブロック電解コンデンサー    1本。
    ヒューズ抵抗            4本、予備に8本同封。

TG. 修理費             10,000円

TC1. 修理中 焼けた50CA10の保護カソード抵抗
TC2. 修理後 50CA10のカソードに200mAヒューズを挿入。
S. LUX SQ-38FD の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 管球式プリメインアンプ SQ-38FD
連続実効出力 30W+30W(4Ω、8Ω、16Ω)
全高調波歪率 0.7%以下(最大出力時)
周波数特性 20Hz〜20kHz /-1dB
入力感度 Phono1、2= 2.2mV
Aux1、2、3= 200mV
入力インピーダンス Phono1、2= 50kΩ
Aux1、2、3= 200kΩ
SN比 Phono= 60dB以上、 Aux= 70dB以上
トーンコントロール LUX方式、 NF型湾曲点周波数切換付
残留雑音 1mV以下
付属装置 ハイフィルター、 ローフィルター、 メイン部入力レベルセット
テープモニタースイッチ及び端子、 DIN規格テープコネクター
使用真空管 12AX7×4、 6267×2、 6AQ8×2、50CA10×4、
外形寸法 幅476×高さ190×奥行335mm
重量 18kg
価格 98,000円
販売年月 1970年7月
                            sq38d-753
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した物です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。  写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2021 Amp Repair Studio All right reserved.