QUAD 34 修理記録
平成19年2月13日到着   2月17日完成
寸評
 このAMPは電源が±8Vを使用。
 よって、出力は0.5Vが最適です。それ以上は飽和に近づき、急激に歪みが増します。
A.修理前の状況
  • 1. オーバーホール
  • 2. プリアンプからの出力を16デシベル程度減らす。 アンプ修理工房さんのサイトに載っていた、「T型アッテネータ」を 試しに作ってメインアンプとの間に入れて16デシベル減衰てみま した。通常使用するボリューム位置が4〜6/21ぐらいから、 8〜12/21ぐらいになり、小音量時でも調節がしやすくなりまし た。そこで、オーバーホールのついでに、プリアンプの出力をあらかじ め下げておきたいのです。
    <回答>
    出力を下げる事はできますが、SN比の観点からは、メインAMP入り口で下げるのが最良です。
    メインAMPに入力VRが無い場合は、上記のアッテネータで、入り口で落とします。

  • 2. 電源を入れたときのセレクターの位置をCDに変更する。 電源を入れたとき、セレクターが「ラジオ」になるよう設定されていま す。通常は、CDしか使わないので、電源を入れたときの初期設定をC Dに変更できればと思います。

T. 修理前点検測定

B. 原因

  • 電解コンデンサー劣化

C. 修理状況
  • 電解コンデンサー交換
    OP−AMP交換
    初期入力変更

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー                          22個
    OP−AMP                              12個

E. 調整・測定

F. 上位測定機器での調整・測定


G. 修理費   72,000円  

S. QUAD 34 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 上から見る
A13. 点検中 下から見る
A14. 点検中 後ろから見る DIN端子が主で、RCA端子が少ない
A21. 点検中 電源シールドを取り上から見る
A22. 点検中 電源シールドを取り下から見る
A3. 点検中 膨らみ、ヒビの入った雑音防止コンデンサー
A4. 点検中 入力インピーダンス変更用の抵抗、カラフルで解りやすい
A5. 点検中 入出力RCA端子、この写真の右端にDISK入力RCA端子がある
A61. 点検中 半田不良予備軍 その1。 幾らスルホール基板でも、もう少し半田の盛りが欲しい
A62. 点検中 半田不良予備軍 その2。
A63. 点検中 半田不良予備軍 その3。
A64. 点検中 半田不良予備軍 その4。
T. 修理前点検測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T0. 出力・歪み率測定
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max=1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=出力電圧測定RLは切り替えて測定
   下段左端 電圧計=入力電圧測定
T1. 修理前歪み率測定 出力電圧35mV 歪み率=0.2% 測定レンジ=0.3% 1000HZ150mV入力 
T2. 修理前歪み率測定 出力電圧35mV 歪み率=0.2% 測定レンジ=0.3% 400HZ150mV入力
T3. 上記の歪みが多い1つの原因は、ユーザーが出力電圧を下げる目的で、回路変更したのが適切で無い為!
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 電源
C12. 修理後  電源 フイルムコンデンサー、電解コンデンサー3個交換
C13. 修理前  電源基板裏
C14. 完成電源基板裏 全半田やり直し(半田補正)+洗浄後
C21. 修理前  コントロール基板
C22. 修理後 コントロール基板 OP−AMP個、電解コンデンサー6個交換
C23. 修理前  コントロール基板裏
C24. 完成コントロール基板裏 全半田やり直し(半田補正)+洗浄後
C31. 修理前  入力AMP基板
C32. 修理後  入力AMP基板 OP−AMP個、電解コンデンサー13個交換。
C33. 修理前  入力AMP基板裏
C34. 完成入力AMP基板裏 全半田やり直し(半田補正)+洗浄後
C41. 修理前  LED表示基板裏
C411. 修理中  LED表示基板裏、半田不良予備軍、この基板はスルホール基板では無い
C42. 修理(半田補正)後  LED表示基板裏
C43. 完成LED表示基板裏 洗浄後
C51. 修理中  VR点検、カシメ構造なのでこれまで
C52. 修理中  VR取り付け穴は長穴になっていて、取り外しが楽
C6. パネル洗浄中
C7. 交換部品
C81. 修理前 上から見る
C82. 修理後 上から見る
C83. 修理前 下から見る
C84. 修理後 下から見る
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下右オーディオアナライザーより100HZ・400HZ・1KHZ・2KHZの信号を出し(歪み率=約0.0006%)これをAMPに入力し、出力を測定
   左端電圧計=入力電圧測定
E11. R側CD入力端子に100mV・100HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E12. R側CD入力端子に100mV・400HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E13. R側CD入力端子に100mV・1000HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E14. R側CD入力端子に100mV・2000HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E21. L側CD入力端子に100mV・100HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E22. L側CD入力端子に100mV・400HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E23. L側CD入力端子に100mV・1000HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
E24. L側CD入力端子に100mV・2000HZを入力。 出力=50mV、歪み率=0.02%。 VRはMax位置
F. 上位測定機器での調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F1. 入出力特性測定(CD入力)。 CD入力端子に150mVを入力。 出力=90mV。 VRはMax位置。
                                        左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。 
F2. 入出力歪み測定。CD入力端子に150mVを入力。 VRはMax位置。
F3. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS LIFT=9dB。 VRはMax位置。
F4. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS STEP=300HZ。 VRはMax位置。
F5. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 TILT 低域=−3dB、高域=+3dB。 VRはMax位置。
F6. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 TILT 低域=+3dB、高域=−3dB。 VRはMax位置。
F7. 入出力特性測定(MM入力)。 3mVを入力。 VRはMax位置。 ユーザーの希望で修理範囲外。
F8. 24時間エージング。 電源投入時の初期入力設定はCD。
S. QUAD 34 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 コントロールアンプ 34
入力感度/最大入力/負荷インピーダンス(1kHz) Disc=3mV/150mV/47kΩ,220pF
    0.1mV/5mV/100Ω,22nF
Radio=100mV/5V/100kΩ
Aux=500mV/25V/49kΩ
Tape play=300mV/15V/57kΩ
SN比(A補正入力負荷時) Disc=75dB(47kΩ)
    68dB(100Ω)
Radio=88dB
Aux、Tape play=87dB
出力レベル/ソースインピーダンス Tape録音=100mV/2.2kΩ
パワーアンプ=0.5V/830Ω
歪率 すべての入力で最悪のとき0.05%
残留ノイズ -105dB(Aカーブ・ボリューム最小)
周波数特性 ディスク以外=±0.3dB
ディスク=±0.5dB
電源入力 100〜130V、200〜250V、50-60Hz
外形寸法 幅321x高さ103x奥行207mm
重量 3.2kg
価格 1982年11月発売、¥195,000(1986年頃)
別売=ウッドケース 34/FM4共通スリーブ(¥19,500)
外形寸法 幅342x高さ84x奥行198mm
板厚 10mm
別売MCモジュール(3タイプ)44用=各¥18,000(1986年頃) 34用=各¥13,000(1986年頃)
タイプ 入力感度 負荷(抵抗/容量) 適応ブランド
44用 Aタイプ 0.3mV 470Ω/22nF EMT、Audio-Technica、Dynavector、
Sony、Victor、Yamaha、Denon
Aタイプ
(1986年頃)
0.2mV 100Ω/22nF Ortofon(MC10-Sup、MC20-Sup、SPU)
Denon、FR、Dynavector
Sony、Yamaha、AET
Bタイプ 0.1mV 100Ω/68nF Ortofon(MCシリーズ)
Audio-Technica(AT-1000MC)
Nagaoka、Denon(DL1000A)
Grantz(GMC-55)
Bタイプ
(1986年頃)
0.1mV 100Ω/22nF Ortofon(MCシリーズ)
Nagaoka
Cタイプ 0.3mV 100Ω/68nF Ortofon(SPU、MC10Super)、Coral、
Entre、FR(7f・PMC-3)、Nakamichi、
Supex、Grantz(GMC-10E)
Cタイプ
(1986年頃)
0.4mV 100Ω/22nF Audio-Technica
Supex、Coral
Dタイプ 0.1mV 470Ω/22nF FR(Iシリーズ)、Technics
Goldbug
34用 Aタイプ 0.2mV 100Ω/22nF Ortofon(SPU、MC10Super)
EMT、デンオン(DL1000A除く)
ダイナベクター、ソニー
ビクター、ヤマハ、FR
テクニクス(EPC-310MC)
Bタイプ 0.1mV 100Ω/22nF Ortofon(MCシリーズ)
デンオン(DL-1000A)
テクニカ(AT-1000MC)
アントレー、ナガオカ
テクニクス(EPC-305MC)
Cタイプ 0.4mV 100Ω/22nF テクニカ(AT-1000MC除く)
トーレンス(MCH-2)
スペックス(SD-900E、SDX-1000)
ソニー(XL-88)
                        qua34-1L
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